ミュージック (キャロル・キングのアルバム)
シンガーソングライター、キャロル・キングによるソロ名義での3作目となるアルバム『ミュージック』は、1971年12月にリリースされました。これは、全世界的な成功を収めた前作『つづれおり』を発表してから、およそ10ヶ月という比較的短い期間でのリリースとなります。
本作の制作にあたり、キャロル・キングは再び強力な制作チームと協力しました。レコーディングは、前作と同じロサンゼルスのA&Mスタジオで行われています。プロデューサーはルー・アドラー、エンジニアはハンク・チカロが担当し、前作の成功を支えた布陣が再集結しました。ジャケット写真の撮影も、『つづれおり』と同じくジム・マクラリーが手掛けています。こうした継続性は、前作で築き上げたサウンドや世界観をさらに推し進める意図があったことを示唆しているでしょう。
アルバムには、キャロル・キングの豊かな才能を示す多彩な楽曲が収められています。中でも「イッツ・ゴーイング・トゥ・テイク・サム・タイム」は、発表後にカーペンターズによってカバーされ、日本でも「小さな愛の願い」として大ヒットし、広く親しまれることになりました。また、彼女が旧知の作詞家ジェリー・ゴフィンと共作し、かつてドリフターズに提供した「サム・カインド・オブ・ワンダフル」を自身で歌ったセルフカバーも収録されています。さらに、先行シングルとして発表され、全米シングルチャートで最高位9位を記録した「スウィート・シーズンズ」も、アルバムの主要な一曲として収められています。これらの代表曲に加え、「ブラザー・ブラザー」、「シュアリー」、「キャリー・ユア・ロード」、「ミュージック」、「ソング・オブ・ロング・アゴー」、「ブライター」、「グロウイング・アウェイ・フロム・ミー」、「トゥ・マッチ・レイン」、「バック・トゥ・カリフォルニア」といった全12曲が収録され、キングのメロディーメーカーとしての手腕と、温かく情感豊かなボーカルが存分に発揮されています。
商業的な面でも、『ミュージック』は成功を収めました。リリース翌年の1972年1月1日付の米ビルボードBillboard 200アルバムチャートで初登場1位を獲得し、その後3週にわたりその地位を維持しました。これは、前作『つづれおり』の歴史的なヒットに続く快挙であり、キャロル・キングが一過性のブームではなく、確固たる地位を築いたことを証明しました。
日本においては、2007年にリリースされた再発盤に、当時のファンには嬉しいボーナストラックが追加されています。これは、オリジナルアルバムには未収録だったものの、シングル「スウィート・シーズンズ」のカップリング曲として発表されていた「ポケット・マネー」です。これにより、より completist な形で本作を楽しむことが可能になりました。
アルバムのサウンドは、キングのピアノやボーカルを中心に据えつつも、豪華なミュージシャンたちによって彩られています。お馴染みのダニー・コーチマー（ギター）、チャールズ・ラーキー（ベース）、ジョエル・オブライエン、ラス・カンケル（ドラムス）といった面々に加え、親交の深いジェームス・テイラーがアコースティックギターとバッキングボーカルで参加しています。さらに、パーカッションや多彩な管楽器（サックス、フルート、フリューゲルホルン）が導入されており、前作に比べてより豊かで広がりがあり、ジャズやR&Bのニュアンスも感じさせるサウンドに仕上がっています。アビゲイル・ヘイネスやメリー・クレイトンによるソウルフルなバッキングボーカルも楽曲に深みを与えています。
『ミュージック』は、前作の大成功という大きなプレッシャーの中で生み出された作品でありながら、その期待に見事に応え、キャロル・キングの音楽キャリアにおける重要な位置を占めるアルバムとなりました。彼女の揺るぎないソングライティング能力と、優れたミュージシャンたちとのコラボレーションが生んだ珠玉の一枚です。
特記されている曲以外はキャロル・キングによる作詞・作曲。
Side 1
ブラザー・ブラザー - Brother, Brother - 3:00
イッツ・ゴーイング・トゥ・テイク・サム・タイム - It's Going to Take Some Time (Carole King, Toni Stern) - 3:35
スウィート・シーズンズ - Sweet Seasons (King, Toni Stern) - 3:15
サム・カインド・オブ・ワンダフル - Some Kind of Wonderful (King, Gerry Goffin) - 3:07
シュアリー - Surely - 4:58
キャリー・ユア・ロード - Carry Your Load - 2:52
Side 2
ミュージック - Music - 3:50
ソング・オブ・ロング・アゴー - Song of Long Ago - 2:44
ブライター - Brighter - 2:46
グロウイング・アウェイ・フロム・ミー - Growing Away from Me - 3:03
トゥ・マッチ・レイン - Too Much Rain (King, Toni Stern) - 3:35
バック・トゥ・カリフォルニア - Back to California - 3:23
キャロル・キング – ボーカル、ピアノ、エレクトリック・ピアノ、エレクトリック・セレステ、バッキング・ボーカル
ラルフ・シュケット – オルガン、エレクトリック・ピアノ、エレクトリック・セレステ
ダニー・コーチマー – アコースティックおよびエレクトリックギター、バッキングボーカル
ジェームス・テイラー – アコースティックギター、バッキングボーカル
チャールズ・ラーキー – エレクトリックおよびアコースティックベースギター
ジョエル・オブライエン、ラス・カンケル – ドラムス
ボビー・ホール – コンガ、ボンゴ、タンバリン
テレサ・カルデロン – コンガ
カーティス・エイミー – テナーサックス、フルート
オスカー・ブラッシア – フリューゲルホルン
ウィリアム・グリーン – 木管楽器、フルート、サックス
ウィリアム・コレット – 木管楽器、フルート、サックス
アーネスト・ワッツ – 木管楽器、フルート、サックス
プラス・ジョンソン – 木管楽器、フルート、サックス
マイク・アルトシュル – 木管楽器、フルート、サックス
アビゲイル・ヘイネス – バッキングボーカル
メリー・クレイトン – バッキングボーカル
ルー・アドラー – プロデューサー
ハンク・チカロ – エンジニア
ノーム・キニー – アシスタントエンジニア
ローランド・ヤング – アートディレクション
チャック・ビーソン – デザイン
* ジム・マクラリー – 写真
本作の制作にあたり、キャロル・キングは再び強力な制作チームと協力しました。レコーディングは、前作と同じロサンゼルスのA&Mスタジオで行われています。プロデューサーはルー・アドラー、エンジニアはハンク・チカロが担当し、前作の成功を支えた布陣が再集結しました。ジャケット写真の撮影も、『つづれおり』と同じくジム・マクラリーが手掛けています。こうした継続性は、前作で築き上げたサウンドや世界観をさらに推し進める意図があったことを示唆しているでしょう。
アルバムには、キャロル・キングの豊かな才能を示す多彩な楽曲が収められています。中でも「イッツ・ゴーイング・トゥ・テイク・サム・タイム」は、発表後にカーペンターズによってカバーされ、日本でも「小さな愛の願い」として大ヒットし、広く親しまれることになりました。また、彼女が旧知の作詞家ジェリー・ゴフィンと共作し、かつてドリフターズに提供した「サム・カインド・オブ・ワンダフル」を自身で歌ったセルフカバーも収録されています。さらに、先行シングルとして発表され、全米シングルチャートで最高位9位を記録した「スウィート・シーズンズ」も、アルバムの主要な一曲として収められています。これらの代表曲に加え、「ブラザー・ブラザー」、「シュアリー」、「キャリー・ユア・ロード」、「ミュージック」、「ソング・オブ・ロング・アゴー」、「ブライター」、「グロウイング・アウェイ・フロム・ミー」、「トゥ・マッチ・レイン」、「バック・トゥ・カリフォルニア」といった全12曲が収録され、キングのメロディーメーカーとしての手腕と、温かく情感豊かなボーカルが存分に発揮されています。
商業的な面でも、『ミュージック』は成功を収めました。リリース翌年の1972年1月1日付の米ビルボードBillboard 200アルバムチャートで初登場1位を獲得し、その後3週にわたりその地位を維持しました。これは、前作『つづれおり』の歴史的なヒットに続く快挙であり、キャロル・キングが一過性のブームではなく、確固たる地位を築いたことを証明しました。
日本においては、2007年にリリースされた再発盤に、当時のファンには嬉しいボーナストラックが追加されています。これは、オリジナルアルバムには未収録だったものの、シングル「スウィート・シーズンズ」のカップリング曲として発表されていた「ポケット・マネー」です。これにより、より completist な形で本作を楽しむことが可能になりました。
アルバムのサウンドは、キングのピアノやボーカルを中心に据えつつも、豪華なミュージシャンたちによって彩られています。お馴染みのダニー・コーチマー（ギター）、チャールズ・ラーキー（ベース）、ジョエル・オブライエン、ラス・カンケル（ドラムス）といった面々に加え、親交の深いジェームス・テイラーがアコースティックギターとバッキングボーカルで参加しています。さらに、パーカッションや多彩な管楽器（サックス、フルート、フリューゲルホルン）が導入されており、前作に比べてより豊かで広がりがあり、ジャズやR&Bのニュアンスも感じさせるサウンドに仕上がっています。アビゲイル・ヘイネスやメリー・クレイトンによるソウルフルなバッキングボーカルも楽曲に深みを与えています。
『ミュージック』は、前作の大成功という大きなプレッシャーの中で生み出された作品でありながら、その期待に見事に応え、キャロル・キングの音楽キャリアにおける重要な位置を占めるアルバムとなりました。彼女の揺るぎないソングライティング能力と、優れたミュージシャンたちとのコラボレーションが生んだ珠玉の一枚です。
収録曲
特記されている曲以外はキャロル・キングによる作詞・作曲。
Side 1
ブラザー・ブラザー - Brother, Brother - 3:00
イッツ・ゴーイング・トゥ・テイク・サム・タイム - It's Going to Take Some Time (Carole King, Toni Stern) - 3:35
スウィート・シーズンズ - Sweet Seasons (King, Toni Stern) - 3:15
サム・カインド・オブ・ワンダフル - Some Kind of Wonderful (King, Gerry Goffin) - 3:07
シュアリー - Surely - 4:58
キャリー・ユア・ロード - Carry Your Load - 2:52
Side 2
ミュージック - Music - 3:50
ソング・オブ・ロング・アゴー - Song of Long Ago - 2:44
ブライター - Brighter - 2:46
グロウイング・アウェイ・フロム・ミー - Growing Away from Me - 3:03
トゥ・マッチ・レイン - Too Much Rain (King, Toni Stern) - 3:35
バック・トゥ・カリフォルニア - Back to California - 3:23
パーソネル
キャロル・キング – ボーカル、ピアノ、エレクトリック・ピアノ、エレクトリック・セレステ、バッキング・ボーカル
ラルフ・シュケット – オルガン、エレクトリック・ピアノ、エレクトリック・セレステ
ダニー・コーチマー – アコースティックおよびエレクトリックギター、バッキングボーカル
ジェームス・テイラー – アコースティックギター、バッキングボーカル
チャールズ・ラーキー – エレクトリックおよびアコースティックベースギター
ジョエル・オブライエン、ラス・カンケル – ドラムス
ボビー・ホール – コンガ、ボンゴ、タンバリン
テレサ・カルデロン – コンガ
カーティス・エイミー – テナーサックス、フルート
オスカー・ブラッシア – フリューゲルホルン
ウィリアム・グリーン – 木管楽器、フルート、サックス
ウィリアム・コレット – 木管楽器、フルート、サックス
アーネスト・ワッツ – 木管楽器、フルート、サックス
プラス・ジョンソン – 木管楽器、フルート、サックス
マイク・アルトシュル – 木管楽器、フルート、サックス
アビゲイル・ヘイネス – バッキングボーカル
メリー・クレイトン – バッキングボーカル
製作
ルー・アドラー – プロデューサー
ハンク・チカロ – エンジニア
ノーム・キニー – アシスタントエンジニア
ローランド・ヤング – アートディレクション
チャック・ビーソン – デザイン
* ジム・マクラリー – 写真
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