ミラ型変光星

ミラ型変光星とは

ミラ型変光星（みらがたへんこうせい）は、脈動変光星の一種であり、特にその明るさが大きく変化することが特徴です。名は、くじら座にある「ミラ」という恒星から取られています。これらの星は、赤色巨星であり、恒星の進化の最終段階に位置しています。これによって、数百万年の間に外層を惑星状星雲として放出し、その後白色矮星へと変化します。

特徴と性質

ミラ型変光星は、通常、太陽の質量の約二倍以下と考えられていますが、外層が非常に膨張し、太陽の数千倍に相当する明るさを持つことができます。この明るさの変化は、恒星全体が膨張し収縮を繰り返すことによって引き起こされています。この過程により、恒星の半径と温度が変わり、光度も変化します。脈動の周期はその恒星の質量や半径に影響されます。

初期の研究では、ミラ型変光星は球対称であると考えられていましたが、最近のIOTA（Infrared Optical Telescope Array）の観測によって、実際には約75%が球対称ではないことがわかってきました。この新しい知見により、ミラ型変光星の3次元モデルがスーパーコンピュータを用いて構築されるようになりました。

多様性と例

ほとんどのミラ型変光星は共通の性質を持ちますが、その年齢や質量、脈動周期、さらには化学組成においては多様性が見られます。たとえば、うさぎ座R星はそのスペクトルに炭素を含んでおり、核構成物質が表面に移動していることを示しています。このような物質は恒星の周囲に塵を形成し、周期的な明るさの変化を引き起こします。また、一部のミラ型変光星は自然のメーザー源となっており、興味深い特性を持つものもあります。

特に注目すべき点は、一部のミラ型変光星が数十年から数世紀ごとに脈動周期を大きく変えることです。これは、核に近いヘリウムの殻が一時的に密度が高まり、熱せられて核融合が行われるためと考えられています。この現象は予測されるものの、恒星の生涯に対して比較的短期間のため、その観測が難しく、観測が確認されているのは、うみへび座R星などごくわずかです。

天文学への貢献

ミラ型変光星は、その明るさが大きく、変化も著しいため、アマチュア天文学者にも人気のある対象です。いくつかのミラ型変光星は、数世紀にもわたる信頼性の高い観測データが得られています。このため、天文学の研究にも重要な役割を果たしています。さらに、これらの星々は比較的金属量が豊富な環境で形成されると考えられていましたが、最近では、低金属量のろくぶんぎ座矮小楕円体銀河でもこれらの星が発見されています。これにより、ミラ型変光星がどのようにさまざまな環境で生まれるかについて新たな知見が得られています。

関連項目

• - 長周期変光星
• - 半規則型変光星

このようにミラ型変光星は、その特異な性質と観測のしやすさから特に研究が進んでいる分野の一つであり、今後の研究においても重要なテーマとなっています。

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