ミリヤナ・ルチッチ＝バロニ

ミリヤナ・ルチッチ＝バロニ：波乱万丈のテニスキャリア

ミリヤナ・ルチッチ＝バロニ（Mirjana Lučić-Baroni, 1982年3月9日 - ）は、クロアチア出身の女子プロテニス選手です。ドイツのドルトムントで生まれ、4歳からテニスを始めました。

幼少期からプロ転向、そして全豪制覇へ

ルチッチは幼い頃からその才能を発揮し、1996年の全米オープンジュニア女子シングルスで優勝、1997年の全豪オープンジュニア女子ダブルスでもタイトルを獲得しました。1997年4月に15歳でプロに転向すると、そのわずか1週間後、地元クロアチアのボル大会でコリーナ・モラリューを破り、鮮烈なデビューを飾ります。同年には全仏オープン直前のストラスブール大会でも決勝に進出し、憧れのシュテフィ・グラフと対戦しました。

1998年、ルチッチはマルチナ・ヒンギスとのペアで全豪オープン女子ダブルスに出場し、決勝でリンゼイ・ダベンポート&ナターシャ・ズベレワ組を破ってグランドスラム初制覇を果たします。その勢いのまま、東レ パン・パシフィック・オープン・テニストーナメントでもヒンギスとのペアで優勝を飾りました。

早熟の天才、苦難の時代、そして復活

早熟の天才として注目を集めたルチッチでしたが、対戦相手にプレースタイルを研究されたことなどから、徐々に苦戦を強いられるようになります。ツアーから離れた時期もありましたが、2010年のウィンブルドン選手権で8年ぶりにグランドスラム本戦出場を果たすと、2012年の同大会では2回戦で第9シードのマリオン・バルトリを破り、復活の兆しを見せました。

2014年の全米オープンでは予選から勝ち上がり、3回戦で第2シードのシモナ・ハレプを破るなど、15年ぶりに四大大会で16強入りを果たしました。さらに、同年のクープ・バンク・ナショナルではシングルスでビーナス・ウィリアムズを破り、16年ぶりのツアー優勝を飾りました。ルーシー・ハラデツカと組んだダブルスでも優勝し、見事単複2冠を達成しました。

グランドスラムでの躍進、そして自己最高ランキング

2017年の全豪オープンでは、ノーシードから快進撃を見せ、準々決勝でカロリナ・プリスコバを破り、1999年のウィンブルドン以来18年ぶりとなるグランドスラムでのベスト4進出を果たします。準決勝ではセリーナ・ウィリアムズに敗れたものの、その活躍が評価され、自己最高となる世界ランキング20位を記録しました。

結婚と改名

2011年11月15日にはダニエレ・バロニと結婚し、結婚後はミリヤナ・ルチッチ＝バロニと名乗っています。

プレースタイルと人物像

ルチッチは右利きで、バックハンド・ストロークは両手打ちです。身長181cmと恵まれた体格から繰り出されるパワフルなストロークと、粘り強いプレースタイルが持ち味です。また、その美貌と明るい性格で、多くのファンを魅了しています。

主な戦績

全豪オープン女子ダブルス優勝（1998年）
WTAツアーシングルス優勝：3回
WTAツアーダブルス優勝：3回
1999年ウィンブルドン選手権シングルスベスト4

ミリヤナ・ルチッチ＝バロニは、その波乱万丈なキャリアを通して、多くの人々に感動と勇気を与え続けています。

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