ムカゴイラクサ属

ムカゴイラクサ属について

ムカゴイラクサ属（学名：Laportea）は、イラクサ科に属する植物のグループです。この属の特徴は、草本とともに低木や高木の形態を持つもので、いずれも刺毛を有しています。新しいAPG分類体系では、イラクサ科はバラ目に分類されており、特に熱帯から亜熱帯地域に広く分布しています。

特徴

ムカゴイラクサ属の植物の葉は互生しており、その縁は鋸歯状または全縁をしています。また、托葉が存在し、これはしばしば離生するか合着していて、かなり早く落ちる傾向があります。この属の植物は、雌雄異株または雌雄同株のいずれかであり、通常は雄花と雌花の花序が別々に存在しますが、まれに同じ花序に混在することがあります。

雄花の花被片は4〜5枚あり、その数と同じだけ雄蕊も存在します。一方、雌花では花被片は4枚で、柱頭は長い線形をしています。これらの生態的特性により、植物としての適応能力が高いと言えます。

日本における分布

ムカゴイラクサ属について、日本には主に2種が確認されています。

1. *ムカゴイラクサ (Laportea bulbifera)
この種は日本全国、具体的には北海道、本州、四国、九州に広がっており、朝鮮半島や中国大陸にも分布しています。この植物は、特に湿った場所に生育し、地下茎から新しい個体を形成する性質があります。

2. ミヤマイラクサ (Laportea cuspidata)
この種も日本の北海道、本州、そして九州（福岡県を含む）に分布し、同様に朝鮮半島や中国大陸にも確認されています。ミヤマイラクサは、やや高地に生育し、より特定の環境条件を好む傾向があります。

植物分類と学名の由来

この属は、フランソワ・ルイ・ドゥ・ラポルトという植物学者の名に由来しており、その功績を称える形で学名にその名が付けられています。このような命名は、植物学における多くの伝統的な慣習の1つで、特定の人物や出来事を記念する意味を持ちます。

参考資料

ムカゴイラクサ属に関する詳細な情報は、以下の文献に記載されています。

• - 佐竹義輔・大井次三郎・北村四郎編 『日本の野生植物 草本II離弁花類』、1982年、平凡社
• - 牧野富太郎原著、大橋広好・邑田仁・岩槻邦男編 『新牧野日本植物圖鑑』、2008年、北隆館
• - 大場秀章編著 『植物分類表（初版第3刷訂正入）』、2011年、アボック社
• - 門田裕一監修、永田芳男写真、畔上能力編 『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花（増補改訂新版）』、2013年、山と溪谷社
• - 米倉浩司・梶田忠 （2003-）「BG Plants 和名−学名インデックス」（YList）
• - Laportea The Plant List*

このように、ムカゴイラクサ属は独特の特徴を持ちながら、広範囲にわたって生息する可能性が高い植物群です。

もう一度検索