メアリー・トゥルー

メアリー・トゥルー：明治日本の女子教育に貢献したアメリカ人宣教師

メアリー・トゥルー（Mary T. True, 1840年12月17日 - 1895年5月）は、アメリカ合衆国出身の宣教師であり、明治時代の日本において女子教育の発展に尽力した教育者です。マリア・ツルーとも表記されます。

生涯

初期

1840年、メアリーはニューヨーク州で、清教徒の血を引く家系に生まれました。1855年、15歳の時に故郷の町で起こったリバイバル運動をきっかけにキリスト教に入信し、信仰の道へと進むことを決意します。

その後、オーバン神学校で学んでいたアルバート・トゥルーと出会い、結婚。夫婦で伝道活動に励みますが、1871年、アルバートは病に倒れ、帰らぬ人となりました。夫の死後、メアリーは彼の遺志を継ぎ、1873年9月、中国へ宣教師として派遣されることになります。

日本宣教

翌1874年、メアリーは日本へ渡り、宣教活動を開始します。1875年には、アメリカ合衆国長老教会の伝道局の勧めで東京京橋（現在の巣鴨教会）を拠点に伝道活動を始めました。この時、出口せいが協力者として彼女を支えました。

1879年、メアリーは出口せいと共に金沢の啓明学校へ活動の拠点を移します。1883年には、一時帰国のためアメリカへ戻りますが、1884年に再び来日。伝道活動を行う傍ら、原女学校、新栄女学校、桜井女学校といった各地の女学校の発展に尽力しました。

新栄女学校時代には、当時まだキリスト教に入信していなかった矢嶋楫子を教師として採用し、修身と聖書の授業を担当させました。その後、桜井女学校の経営を矢嶋に託し、女子教育の発展に貢献しました。

また、メアリーは社会福祉活動にも熱心に取り組み、新宿角善に養生園という老人ホームを建設しました。

メアリー・トゥルーの日本における教育・社会福祉への貢献は大きく、その功績は今もなお語り継がれています。


参考文献
『日本キリスト教歴史大事典』教文館、1988年
高橋昌郎『明治のキリスト教』吉川弘文館、2003年

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