メイッティーラ

メイッティーラ (めいってぃーら)

Meiktila

ミャンマー中部のマンダレー地方域に位置する都市。メイッティーラ湖のほとりに面しており、古くからヤンゴンとマンダレーを結ぶ主要な交通ルート上の要衝として栄えてきました。メークテラ、メイクテラ、メティラなどの表記も見られます。2014年時点での人口は約30万9千人です。

歴史

メイッティーラの地名は、古代インドの神話に登場するミシラ王国に由来すると伝えられています。11世紀から19世紀にかけては、ミャンマー中央乾燥地帯を拠点としたビルマ人王朝の支配下にありました。1885年、第三次英緬戦争でコンバウン王朝がイギリスに敗北すると、ビルマ全土がイギリスの植民地となり、英領インドの一部として組み込まれました。第二次世界大戦中の1945年には、イラワジ川流域で日本軍とイギリス軍による激しい戦闘（イラワジ会戦）が行われ、イギリス軍が勝利を収めました。戦後の1948年、ビルマ連邦はイギリスからの独立を達成しましたが、独立後間もなくカレン族の反乱が発生し、メイッティーラでも混乱が生じました。そして近年、2013年3月22日には反ムスリム暴動が発生し、多数の死者が出るとともに、1万2千人以上が住む場所を追われ、非常事態宣言が発令される事態となりました。この暴動は国内の他の地域にも波及しました。

地理と気候

メイッティーラは、マンダレー地方域の中央乾燥地帯の中でも最も東寄りに位置しています。ウォンドウィン、ミンジャン、ヤメティンといった都市に挟まれ、東側はシャン州と接しています。この地域の特徴的な地理的要素として挙げられるのが、人工的に作られた灌漑・貯水池であるメイッティーラ湖です。この湖は長さ約11キロメートル、幅約0.8キロメートルにも及び、地域の水供給に重要な役割を果たしています。湖の水はモンダイダムから供給されています。

気候区分としては、サバナ気候（ケッペンの気候区分Aw）に属し、年間を通して非常に気温が高いのが特徴です。特にモンスーンの訪れる前の3月から5月にかけては最も暑く、日中の最高気温は平均で36℃前後まで上昇します。気候は大きく、11月から4月までの乾燥した冬の乾期と、5月から10月までの降水量が多い夏の雨期に分かれます。

文化、教育、軍事

市内には多くの有名な仏塔が建立されており、文化的な見どころとなっています。代表的なものとしては、シュウェミンティン、シュウェインミー（アサ・フテートネシントとしても知られる）、ナガヨン、イェレ、スタウンピイ、フパウン・ドー・ウ・パゴダ、パウンダウーなどがあります。

教育機関も充実しており、国立のミャンマー航空宇宙工業大学をはじめ、メイッティーラ大学、メイッティーラ経済大学、メイッティーラコンピュータ大学、メイッティーラ科学技術大学、メイッティーラ教育大学といった地方大学が集まっています。また、市内に6校ある公立の基礎教育高校の中でも、メイッティーラ第1基礎教育高校は特に人気が高く、競争率が高いことで知られています。

軍事関連施設としては、ミャンマー空軍の基地が2ヶ所置かれています。メイッティーラ空軍基地は中央司令部の本拠地としても機能しており、もう一つのシャンテ空軍基地は市の北部、ピータールヤール地区に位置しています。

宗教問題

ミャンマーは仏教徒が多数を占める国ですが、メイッティーラでは全人口約31万人のうち、約3万人がイスラム教徒であると推定されており、多様な宗教構成を持っています。20世紀後半の軍事政権下では、宗教間の公然とした対立はあまり見られませんでした。しかし、2012年にラカイン州で宗教間の緊張が高まり暴動が発生すると、その影響はメイッティーラにも波及しました。2013年の暴動では、特にイスラム教徒の居住地域が標的となり、衛星写真からも確認できるほど大規模な破壊が行われました。この一連の衝突により、43人以上もの尊い命が失われました。

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