メイ・ロン

メイ（Mei）について

メイ（学名：Mei）は、中華人民共和国の遼寧省西部で発見された小型の獣脚類恐竜で、トロオドン科に属します。この恐竜のホロタイプ標本は、前期白亜紀の東アジアに生息していたことが知られており、現生の鳥類に似た独特な休息姿勢を持っていたことが確認されています。タイプ種はMei longであり、「熟睡する」という意味が含まれています。

発見と命名

メイのホロタイプ標本IVPP V12733は、遼寧省朝陽市北票市で発見されました。この地域には熱河層群義県層が広がっており、この標本は河川堆積物と火山砕屑物が重なる地層から見つかりました。もともとこの地層の年代は約1億3900万年前から1億2800万年前とされていましたが、最近の研究によると、約1億2576万年前から1億2412万年前のものと推定されています。この年代は国際層序委員会が定めたバレミアン階に相当します。

メイのホロタイプは中国科学院古脊椎動物古人類学研究所（IVPP）に保管されており、2004年に徐星とマーク・ノレルによって記載され、命名されました。

特徴

メイは全長約53センチメートルという小型の獣脚類で、近縁のミクロラプトルやアーケオプテリクスと同規模です。ホロタイプの標本はまだ成熟個体ではないと考えられていますが、すでにいくつかの特徴が見られます。その中には、骨が部分的に癒合している点が挙げられ、2012年に記載された別の個体では、数センチ小さいものの、より幼体的な特徴がありながらも成熟した形状を有しています。

メイを他のトロオドン科と識別するための特徴としては、上顎骨の歯列の後半に鼻孔が存在することや、上顎骨の歯の密度、叉骨のU字形状、遠位第IV足根骨の外側に突起があることが特徴的です。これらにより、特異な生態が考察されています。

生態

メイは、その化石が現生の鳥類と共通する休息姿勢を示していたため、非常に注目されています。この姿勢は、体を対称に折り畳み、両前肢を外側に伸ばすもので、頭部は体に収めるようにしています。この化石の状態からは、メイが寝ている、または休息している際に埋まった可能性が浮かび上がります。このような姿勢は、恒温動物が体温を保つために採用するものと考えられ、メイの生活環境や行動に関する理解を深めます。

同様の姿勢が確認されている種には、メイと同じトロオドン科のシノルニトイデスやヒプノヴェナトル、そしてアルヴァレスサウルス科のヤキュリニクスがあり、これらの事例がメイの生態の重要な手掛かりとなっています。

登場作品

メイは映像作品の中でも取り上げられています。例えば、『恐竜vsほ乳類』の後編では、内温性の獲得を示す証拠として紹介され、また『プレヒストリックパーク』では、全長2.5メートルの成体が登場します。これらの描写は、メイの特異な生態を幅広い観客に伝える一助となっています。

関連項目

• - 恐竜の一覧
• - 絶滅した動物一覧
• - 羽毛恐竜

外部リンク

• - 眠るメイ・ロンの想像図 - 古世界の住人 - ウェイバックマシン（2002年6月6日アーカイブ分）

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