メカビ

メカビ：時代を彩ったサブカルチャー雑誌

『メカビ』（MECHABI MECHA to Be Show Jho）は、講談社が発行していたサブカルチャー情報誌です。2006年6月に創刊され、2008年冬号（Vol.4）をもって休刊となりました。「萌え世代のモブカルチャーマガジン」をキャッチフレーズに、当時のオタク文化に独自の視点を提供しました。

概要

編集長は、講談社学芸部門で「ブルーバックス」を手掛けていた松下友一氏。同じく「選書メチエ」編集者の井上威朗氏との共同作業で、創刊に至りました。当時、「非モテ」ブームを背景に、オタク向けの評論情報誌として注目を集め、本田透氏と堀田純司氏がスーパーバイザーを務め、巻末座談会や連載小説でレギュラー参加していました。

Vol.2までは不定期発行でしたが、2007年秋に発売されたVol.3から季刊化されました。しかし、編集スタッフの異動などにより、2008年冬号(Vol.4)をもって休刊となりました。一部の企画は、松下氏と井上氏の異動先であるアフタヌーン編集部からアフタヌーン新書に引き継がれましたが、国内の「非モテ」ブームが沈静化したことで、次第に終息していきました。

特徴

「萌え」「燃え」「非モテ」をキーワードとする「モブカルチャー」を標榜し、アニメーション、漫画、ゲーム、小説、その他キャラクターなど、オタク文化に関する人物や出来事が主に取り上げられました。このあたりは、本田氏が二見書房で企画していた文芸ムック『ファントム』の流れを汲んでいます。雑誌コンセプトは、「全国統一オタク検定試験」を行ったビブロスの『オタクエリート』に近く、創刊号に掲載された麻生太郎氏へのインタビューは話題を呼びました。

その他、東浩紀氏と桜坂洋氏の対談（Vol.2）、久弥直樹氏のインタビューと新作小説（Vol.2）、奈須きのこ氏へのインタビュー（Vol.3）など、豪華な企画が目白押しでした。

創刊号には、樋口真嗣氏、養老孟司氏、Gackt氏、皆川ゆか氏、森永卓郎氏、竹内一郎氏、森川嘉一郎氏、古橋秀之氏、植芝理一氏、弐瓶勉氏、カラスヤサトシ氏、岡田有花氏、アニメ会、竹内博 (bamboo)氏、泉信行氏など、各界の著名人が参加しました。

スーパーバイザーを務めた本田氏と堀田氏は、アンチ『ファウスト』を標榜し、当時アニプレックスへ接近していた太田克史氏に反感を持つ「非モテ」系の著名人や、講談社内のスターチャイルド系人脈を集めて企画しました。そのため、同じ出版社の雑誌でありながら、一部の参加者が重複しているにもかかわらず、まったく正反対の切り口が特徴となっていました。

堀田氏は後に、太田氏が星海社を設立して空白状態となった講談社BOXで『BOX-AiR』の企画編集に携わりました。

刊行リスト

メカビ Vol.1（2006年6月）ISBN 978-4-06-179591-4
メカビ Vol.2（2006年12月）ISBN 978-4-06-378818-1
メカビ 2007年秋号（Vol.3）（2007年9月）ISBN 978-4-06-378862-4
メカビ 2008年冬号（Vol.4）（2007年12月）ISBN 978-4-06-378863-1
アフタヌーン新書 アニメ最前線の声 メカビ・クリエイターインタビューズ1（2009年10月）ISBN 978-4-06-364779-2

掲載小説

久弥直樹「ヒナタノアリカ」（Vol.2）
本田透「陰陽胡蝶 ～CHAOSMOTH～」（連載）
堀田純司「こころとからだ」（連載）

関連項目

ファントム (文芸誌)) - メカビと同じく、「非モテ」をキーワードにした文芸誌。
全国統一オタク検定試験 - メカビに先行して株式会社ビブロスより刊行されていた雑誌『オタクエリートNo.01』に問題が掲載されていた。

外部リンク

* 講談社BOOK倶楽部：メカビ　Vol.01 - Vol.1以降の号は書籍検索で検索可能。

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