メクネス

メクネス：古都の魅力と歴史

メクネスは、モロッコの首都ラバトから東へ約130km、古都フェズの西約60kmに位置する都市です。2004年の時点で人口は約53万人を超え、モロッコの中でも重要な都市の一つとして知られています。

歴史

メクネスは、その豊かな歴史と文化遺産で知られています。特に、1675年から1728年までの間、アラウィー朝の首都として繁栄しました。ムーレイ・イスマイル王によって建設された壮大な城壁や門、モスクなどが今も残っており、当時の繁栄を偲ばせます。また、メクネスの北部には、聖地ムーレイ・イドリスや、古代ローマ時代の遺跡であるヴォルビリスがあり、これらの遺跡群は世界遺産にも登録されています。ヴォルビリスは、ローマ帝国の北アフリカにおける重要な拠点であり、その遺跡は古代ローマの都市計画や建築技術を知る上で貴重な資料となっています。

世界遺産

メクネスは、その歴史的、文化的価値が認められ、ユネスコの世界遺産に登録されています。登録基準(4)「人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例」を満たしていることが評価されました。メクネスの建造物群は、17世紀から18世紀にかけてのアラウィー朝の繁栄を反映しており、当時の建築技術や都市計画を知る上で重要な存在です。特に、ムーレイ・イスマイル王によって建設された巨大な城壁や、美しい装飾が施された門などは、見る者を圧倒します。

悲しい出来事

2010年2月19日には、市内に存在する18世紀に建築されたモスクのミナレット（塔）が崩壊するという悲しい事故が発生しました。金曜礼拝のために訪れていた多くの信者が下敷きとなり、40人もの尊い命が失われ、75人以上が負傷するという惨事となりました。この事故は、メクネスの歴史的建造物の維持管理の重要性を改めて認識させる出来事となりました。

姉妹都市

メクネスは、フランスのニームと姉妹都市提携を結んでいます。ニームは、フランスのラングドック＝ルシヨン地域圏に位置する都市で、古代ローマ時代の遺跡が数多く残る歴史的な都市です。メクネスとニームは、歴史的なつながりを活かし、文化交流や経済協力など、様々な分野で交流を深めています。

メクネスは、その豊かな歴史と文化遺産、そして美しい景観で訪れる人々を魅了する都市です。古代ローマ時代の遺跡から、アラウィー朝時代の壮大な建造物群まで、様々な時代の歴史が刻まれたメクネスは、まさに生きた博物館と言えるでしょう。モロッコを訪れる際には、ぜひメクネスに足を運び、その魅力を体験してみてください。

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