メジディイェ (防護巡洋艦)

メジディイェ（プルート）

メジディイェ（オスマン語: مجيديه Medjidieh、トルコ語: Mecidiye）は、かつてオスマン帝国海軍に所属していた防護巡洋艦であり、その名前はスルタン・アブデュルメジドに由来しています。この艦はアメリカのウィリアム・クランプ・アンド・サンズ社によって建造されましたが、その設計は同時期にイギリスのアームストロング社によって建造された「ハミディイェ」と類似しています。両艦は運用上の理由から、似たような性能を持つように設計されたため、外観も似通っています。

船体と艦形

メジディイェの設計は「ハミディイェ」と共通点が多く、平甲板型の船体を持ちます。艦首には衝角が備えられており、艦橋には司令塔と船橋が設けられていました。マストは簡素な構造で、主要な武装は艦橋前後の甲板に配置され、煙突の周囲にも副砲が整然と並んでいます。全体として、イギリス海軍の艦艇に似た特徴を持つデザインが際立ちます。

武装

艦の竣工時、主砲にはアームストロング社製の15.2cm速射砲が2基装備されており、副砲には1864年型の12cm速射砲が搭載されていました。この組み合わせにより、高い速射性能とともに優れた射程を誇ります。また、対水雷艇迎撃用にフランス製の機関砲も装備され、魚雷攻撃のための発射管も備えていました。

戦歴

メジディイェは、何度かの戦争を経験しながらその役割を果たしました。第一次バルカン戦争や第一次世界大戦に参加し、多くの作戦に従事しましたが、1915年に触雷し沈没してしまいます。この悲劇的な出来事の後、ロシア帝国海軍によって引き揚げられ、プルートと改名されました。ロシア軍としても使用された後は、再度オスマン帝国に戻り、トルコ海軍で運用されることになりました。

復帰後と近代化

トルコ海軍としてのメジディイェは、ギョルジュク造船所で近代化改装を受け、1947年まで運用されました。この間に装備が更新され、役割も変化していきました。最終的にメジディイェは解体され、艦の歴史は幕を閉じました。

まとめ

メジディイェ（プルート）は、オスマン帝国からロシア帝国、さらにはトルコ共和国へと、その運命を変えながら生き続けた艦艇です。多くの歴史的出来事を目撃し、戦争の激流を渡ってきた彼女の物語は、艦艇の運命が如何に歴史と結びついているかを物語っています。

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