メジャー女子プロレスAtoZ

メジャー女子プロレスAtoZ

「メジャー女子プロレスAtoZ」（メジャーじょしプロレス エー・トゥー・ゼット）は、かつて日本に存在した女子プロレス団体です。2003年から2006年までの約3年間、女子プロレス界の一角を担いました。

設立の背景と歩み

団体の設立は2003年6月24日に遡ります。これは、全日本女子プロレスを退団しフリーランスとして活動を開始した堀田祐美子選手が率いるユニット「Z-SPIRITS」が、当時存在した別団体アルシオンを吸収統合する形で誕生しました。この合併を経て、新たな女子プロレス団体として活動を開始し、同年7月25日には川崎市体育館にて記念すべき旗揚げ戦を開催しました。

AtoZは設立後、独自の路線を歩みましたが、2005年9月には事業の継続が困難となり、事実上の事業停止に至りました。これに伴い、元オーナーの小宮明夫氏とエージェントを務めていた小川宏氏（現：ロッシー小川氏）らが新たに「KOプロダクション」を設立しました。このKOプロダクションは、AtoZに所属していた選手や、全日本女子プロレスの最終所属選手たちによる自主興行「ドリームキャッチャー」のスケジューリングや運営管理を担うこととなります。

また、同じ2005年9月には、女子プロレス団体JDスター女子プロレスとの間で業務提携を結び、選手交流や合同興行なども行われた時期がありました。しかし、この提携関係は長くは続かず、翌2006年1月には解消されています。

終焉

事業停止後も活動は細々と続けられましたが、団体としての存続は難しくなりました。そして、2006年5月3日に後楽園ホールにて開催された大会を最後に、メジャー女子プロレスAtoZはその短い歴史に幕を下ろし、解散となりました。

タイトル

団体が認定していた主要なタイトルとして、「AtoZ世界王座」がありました。

所属選手とスタッフ

短い活動期間ながら、多くの選手がAtoZのマットで活躍しました。設立時の中心メンバーである堀田祐美子選手、阿部幸江選手をはじめ、「Z-SPIRITS」出身の未来選手、西尾美香選手、下田美馬選手らが所属しました。また、後の女子プロレス界を牽引する存在となる高橋奈苗選手（現：高橋奈七永選手）、華名選手（現：ASUKA選手）なども在籍経験があります。

解散時の最終所属選手としては、堀田祐美子、阿部幸江、中島安里紗、水沼美加（現：帝嘩怒）の各選手が挙げられます。また、事業停止後の自主興行「ドリームキャッチャー」を中心に活動していた選手として、高橋奈苗、Hikaru、前村早紀の各選手がいました。

団体を支えたスタッフには、エージェントの小川宏氏（現：ロッシー小川氏）がいました。過去にはエージェントマネージャーとして下田美馬選手が兼任していた時期もあります。また、リングアナウンサーとして鶴賀義紀氏が務めていました。

他にも、歴代の所属選手として、AKINO、吉田万里子、藤田愛、Baby-M、GAMI、北尾ゆかり、玉田凛映、闘牛・空（現：江本敦子）、玲央奈（現：Leon）といった選手たちが、それぞれの時期にAtoZのリングを彩りました。

メジャー女子プロレスAtoZは、その活動期間は短かったものの、当時の女子プロレス界の情勢を反映した設立経緯を持ち、多くの個性的な選手たちが所属した団体として、日本のプロレス史にその名を刻んでいます。

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