メジロタイヨウ

メジロタイヨウの競走馬としての足跡とその後

メジロタイヨウ（Mejiro Taiyo）は、1964年5月22日に生まれ、1977年11月10日に亡くなるまで日本競馬界で名を馳せた競走馬です。特に1969年に開催された第60回天皇賞を制したことで知られています。この勝利は、メジロ牧場の代表である北野豊吉にとって初の栄光であり、その後の競馬界において大きな足跡を残しました。

競走馬時代の経歴

メジロタイヨウは1967年2月5日の新馬戦で初勝利を達成しましたが、その後いくつかのレースに出走するも、なかなか優勝に恵まれず、クラシックレースとも縁がない存在となっていました。ただし、1968年の目黒記念（秋）でようやく重賞に初挑戦し、このレースで2着となるなど、本格的な成績を残し始めました。その後、1969年にはダービートライアルのNHK杯にも出走しましたが、11着という結果で順位を落としました。

1969年には目黒記念（秋）での重賞制覇を皮切りに、続く天皇賞（秋）では8番人気にも関わらず、見事4着に入線。これにより、メジロタイヨウは徐々にその実力を発揮し始めました。さらに同年4月に主戦騎手が徳吉一己から横山富雄に交代し、初めてのコンビで挑んだアルゼンチンジョッキークラブカップでは勝利を飾り、調教師の八木沢勝美にとっても期待を膨らませる結果となりました。

そして、同年11月30日、メジロタイヨウは天皇賞（秋）に出走。このレースは雨天という厳しい条件下で行われ、他の実績ある馬たちを押しのけての勝利を収めました。この瞬間は北野豊吉にとっても念願の八大競走初制覇であり、メジロタイヨウの名を一躍有名にした瞬間でした。その後は有馬記念やアメリカジョッキークラブカップに挑戦しましたが、結果は振るわず、競走生活は引退へと向かいました。

引退後の活動

引退後、メジロタイヨウは種牡馬としての生活を始めましたが、その産駒の中で特に注目される馬は現れませんでした。そして、1977年11月10日に14歳で亡くなりました。メジロタイヨウは競馬界における偉大な功績を残したものの、後の世代にその血を遺すことは叶いませんでした。

興味深いエピソード

メジロタイヨウには印象的なエピソードがいくつかあります。1967年3月10日には中山競馬場に向かう途中、馬運車がダンプカーと衝突してしまい、出走予定であった目黒記念への出場が断念せざるを得なくなりました。また、メジロタイヨウの天皇賞（秋）勝利時の騎手である横山富雄の息子、典弘が2009年に同レースを制し、さらにその息子、武史も2021年に同レース制覇を果たすことで、親子三代による天皇賞（秋）の制覇が史上初めて達成されました。

これらのエピソードを通じて、メジロタイヨウはただの競走馬ではなく、日本競馬史の中でも特別な存在であったことを際立たせています。

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