メトロ・デ・ポルトアレグレ

メトロ・デ・ポルトアレグレ（Metrô de Porto Alegre）

メトロ・デ・ポルトアレグレは、ブラジルのリオグランデ・ド・スル州の州都ポルトアレグレ市と、その周辺都市を結ぶ都市鉄道です。一般的に「ポルトアレグレ地下鉄」と呼ばれることもありますが、実際には全線が地上または高架構造であり、地下区間は一切存在しません。この鉄道は、ブラジル連邦政府とリオグランデ・ド・スル州が共同で設立した公営企業「Trensurb（ポルトアレグレ都市内鉄道会社）」によって運営されています。

概要

開業当初はブラジル連邦鉄道（RFFSA）の子会社でしたが、同鉄道の民営化に伴い独立しました。現在、運行している路線は全て地平または高架構造で、地下区間はありません。

路線

現在、以下の路線が運行されています。

1号線

ポルトアレグレの中心部と、郊外のカノアス、サン・レオポルド、ノヴォ・アンブルゴなどを結ぶ主要路線です。1980年に建設が開始され、1985年3月2日に最初の区間が開通しました。その後、延伸を重ね、2014年1月30日に全線が開通し、総延長43.4km、22の駅を持つ路線となりました。ウニシノス駅 - サン・レオポルド駅間には高架区間が含まれています。

1日の利用者は約28万人に達し、国道BR-116号線の交通渋滞緩和や、平行する狭軌鉄道路線の近距離旅客輸送を補完する役割を担っています。

線路: 複線
軌間: 1600mm (広軌)
電化方式: 直流3000V 架空線式
レール: AREA製 115ポンド（57kg/m）
枕木: コンクリート製バイブロック式
最小曲線: 半径166m
最大カント量: 160mm
最急勾配: 2.5%

2号線

計画中の路線で、ポルトアレグレ中心部と東側の市を結ぶ予定です。総延長19kmのうち16kmが地下区間となる計画です。

メトロ-アエロポルト連絡線

2013年8月21日に1号線のアエロポルト駅とサルガド・フィーリョ国際空港を結ぶ新交通システムとして暫定開業しました。2駅、0.8kmの路線で、2014年5月7日に正式開業しました。

車両

メトロ・デ・ポルトアレグレでは、以下の2種類の車両が運用されています。

日本製車両 (100形)

1984年の開業時に導入された、ステンレス鋼製の4両編成の電車です。三井物産を主幹事とする日本連合企業体によって25編成が製造・輸出されました。内訳は、日本車輌製造が11編成、日立製作所が8編成、川崎重工業が6編成です。

編成: MA車（制御電動車）＋RA車（中間付随車）＋RB車（中間付随車）＋MB車（制御電動車）
特徴: 運転室のみ冷房装置が設置。屋上には抵抗器と換気グリルがあり、両方の先頭車にZ形パンタグラフが2基ずつ搭載されています。側窓上部にルーバーがあり、側扉は片側4扉です。座席はロングシートが主体で、一部に一方向き固定クロスシートがあります。車両間の貫通ドアは内開き式です。


ブラジル製車両 (200形)

2014年に導入されたアルストムブラジル製の車両で、アルストム・メトロポリスシリーズの一つです。冷房が搭載されています。

参考文献

鉄道史資料保存会『日車の車両史 図面集－戦後産業車両／輸出車両編』（1999年）ISBN 4-88540-104-6
交友社『蒸気機関車から超高速車両まで －写真でみる兵庫工場90年の鉄道車両製造史－』（1996年）

関連項目

地下鉄一覧

外部リンク

公式ホームページ （ポルトガル語）

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