メナンドロス (マケドニアの将軍)

メナンドロス: アレクサンドロス大王の将軍

メナンドロス（Menandros、生没年不明）は、古代マケドニアの将軍であり、アレクサンドロス3世に仕えていました。彼はヘタイロイの一員として知られ、特にアレクサンドロスの東方遠征において傭兵部隊の指揮を担いました。

アレクサンドロス生前の活動

紀元前331年のイッソスの戦いの前後、メナンドロスはリュディアの太守に任命されましたが、この地位はその後クレアルコスという別の人物に引き継がれました。紀元前323年にアレクサンドロスがバビロンにもどる際、メナンドロスは自身の部隊を率いて王に従いました。当時、ペウケスタス、フィロクセノスといった他の将軍たちも同様に部隊を率いており、彼らの軍はマケドニア軍に統合されました。

アレクサンドロスの死後の展開

紀元前323年のアレクサンドロスの死後、バビロンで開かれた会議において、メナンドロスは再びリュディア太守に任じられました。その後、彼は摂政ペルディッカスがアレクサンドロスの姉妹クレオパトラとの結婚を計画していることをアンティゴノスに伝えます。この結婚は、ペルディッカスの王位への野心とみなされました。ペルディッカスがアンティパトロスの娘との婚約を破棄したこともあり、怒りを買ったアンティパトロスや他の将軍たちとの間で戦争が勃発しました。

ペルディッカスはエジプトを征服しようと攻め込んだものの、失敗し部下に見放されて殺害されました。彼の死後、紀元前321年に行われたトリパラディソスの軍会で、メナンドロスはリュディア太守の地位を失い、新たにクレイトスがその任に当たることとなりました。この会議では、アンティゴノスが旧ペルディッカス派の残党を掃討するためにアジアの総司令官に任命され、メナンドロスも彼の部下として活動することになります。

オルキュニアの戦いとメナンドロスの最後

紀元前320年、オルキュニアの戦いでメナンドロスはアンティゴノスの指揮下で戦いに臨みましたが、この戦闘での敗北が彼の名を歴史から消す転機となります。戦闘後、エウメネスがメナンドロスの輜重隊を襲撃しようと試みましたが、彼は策略によってメナンドロスの部隊に接近します。エウメネスは友誼を装って密使を送り、メナンドロスに撤退を促しました。メナンドロスは難攻不落の要地を占めることができ、エウメネスは失敗に終わったようです。

後に、メナンドロスはこの事件の詳細をアンティゴノスに報告しましたが、彼はエウメネスの目論見を見抜いていました。それ以降、メナンドロスに関する記録はほとんどなくなり、彼は歴史の舞台から姿を消していきました。

参考文献

• - アッリアノス『アレクサンドロス大王東征記』
• - クルティウス・ルフス『アレクサンドロス大王伝』
• - ディオドロス『アレクサンドロス大王の歴史』
• - ポンペイウス・トログス『地中海世界史』

メナンドロスの生涯は、アレクサンドロス大王の時代の激しい権力闘争の一端を示しており、その行動が当時の歴史にどのような影響を与えたのかを考える手がかりとなります。

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