メノウ (競走馬)

メノウ(1935-1964)は、アメリカで活躍したサラブレッド競走馬にして、種牡馬としてその名を歴史に刻んだ名馬です。その競走馬としてのキャリアは華々しく幕を開けました。

1935年、ハル・プライス・ヘッドリー氏のボーモントファームで誕生したメノウは、父ファラモンドII、母アルシバアディーズという良血を受け継いでいました。2歳となった1937年、メノウは6戦3勝という好成績を残し、当時最強と謳われた2歳馬決定戦、フューチュリティステークスではダート6.5ハロンの世界レコードで優勝、その年のアメリカ最優秀2歳牡馬に輝きました。シャンペンステークスでも強豪ブルリーを破るなど、その年の活躍は目覚ましく、将来を嘱望されました。

しかし、3歳シーズンを迎えた1938年、メノウは距離の壁に直面します。当初は快勝を重ねていましたが、距離が延びるにつれ、ブルリーとの対戦では敗戦を喫する場面が増えました。アメリカクラシック三冠路線に挑戦するも、ケンタッキーダービーでは4着、プリークネスステークスでも3着と、期待に応える成績を残せませんでした。

距離が長くなるベルモントステークスへの挑戦は回避されましたが、ウィザーズステークスでは優勝を果たしました。シーズン後半にはマサチューセッツハンデキャップ、ポトマックハンデキャップと連勝、11連勝中だった強豪ウォーアドミラルを破るなど、その実力を示しました。その後、ハヴァードグレイスハンデキャップでシービスケットに敗れた後、競走馬としてのキャリアに幕を閉じました。

引退後は、ヘッドリーの牧場で種牡馬としての道を歩みます。1939年から繋養され、32頭のステークス競走勝ち馬を輩出するなど、成功を収めました。中でも有名なのが、1949年生まれのトムフールです。トムフールはクラシック路線では結果を残せませんでしたが、その後ニューヨークハンデキャップ三冠を達成、種牡馬としても大成功を収め、現在でもその血統は世界中に広がっています。メノウの父系は、ほぼトムフールを介して受け継がれていると言えるでしょう。他にも、1949年のアメリカ二冠馬カポットや、1942年の最優秀2歳牝馬アスクメノウなどもメノウの子孫です。

メノウは1964年、29歳でその生涯を終え、ボーモントファーム（現ミルリッジファーム）に埋葬されました。競走馬としての華々しい活躍、そして種牡馬としての大きな成功。メノウはサラブレッドの歴史に、その名を刻み続ける存在です。

メノウの母アルシバアディーズは、ファラモンドII'>[ケンタッキーオークス]]を制した名牝で、後年、1929年と1930年のアメリカ最優秀2歳・3歳牝馬として認定されました。その功績を称え、キーンランド競馬場にはアルシバイアディーズステークスという2歳牝馬限定戦が1952年に創設されています。父ファラモンド]はイギリスで[[ミドルパークステークスを制した馬で、アメリカに渡り、メノウ以外にも活躍馬を輩出しました。

メノウの競走成績、血統背景、種牡馬としての成功、そしてその子孫たちの活躍は、サラブレッドの歴史において重要な一章を飾るものと言えるでしょう。彼の名は、これからも競馬史に語り継がれていくことでしょう。

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