メモリー・マッスル

マーク・モリスのソロデビューアルバム『メモリー・マッスル』は、ブルートーンズのフロントマンとして知られる彼の、ソロ活動の集大成とも言える作品です。

このアルバムは、マーク自身が語るように、60～70年代のアメリカン・クラシックロックから強い影響を受けており、そのサウンドは、爽やかさと陰りが絶妙に同居した独特の雰囲気を醸し出しています。また、作家カート・ヴォネガットの小説『スローターハウス5』も、アルバムのインスピレーション源の一つとなっています。

レコーディングは2007年から開始され、プロデューサーには、ブルートーンズのアルバム『ルクセンブルク』以来の付き合いとなるゴードン・ミルズが起用されました。さらに、『インデペンデンス・デイ』や『GODZILLA』、『007 ダイ・アナザー・デイ』など、数々の映画音楽を手掛け、グラミー賞受賞経験も持つデヴィッド・アーノルドが、数曲のストリングスアレンジと、1曲でのピアノ演奏で参加しています。マークとデヴィッドは、共にテレビ番組『リトル・ブリテン』にカメオ出演したことがきっかけで親交を深めたとのことです。また、マークの弟であり、ブルートーンズのメンバーでもあるスコット・モリスが、全曲でベースを担当しています。

収録曲は、過去のEP『ザ・ファイ・ロウ・ベッドウ EP』からの再録が5曲、アルバム初収録となる新曲が4曲、そしてカバー曲が2曲という構成になっています。カバー曲としては、ティーンエイジ・ファンクラブの「アルコホリデイ」と、2007年に亡くなったリー・ヘイズルウッドの「マイ・オータムズ・ダン・カム」が選ばれています。

アルバムに先駆けて、先行シングルとして「アイム・シック」がリリースされました。この曲は、ラヴを彷彿とさせるアレンジが印象的で、シングルには、ガールズ・アラウドとピクシーズのカバー曲も収録されています。また、セカンドシングル「レイ・ロウ」は、ダウンロード限定で発売されました。

収録曲は以下の通りです。

1. ハウ・マギー・ゴット・ハー・バウンス・バック / How Maggie Got Her Bounce Back
2. アイム・シック / I'm Sick
3. ソー・イット・ゴーズ / So It Goes
4. バックル・アップ・ベイビー・ドール / Buckle Up Baby Doll
5. アルコホリデイ / Alcoholiday （ティーンエイジ・ファンクラブのカバー）
6. ディギング・ア・ホール / Digging A Hole
7. レモン・アンド・ライム / Lemon & Lime
8. アンウォンテッド・フレンド / Unwanted Friend
9. ビエンベニード / Bienvenido
10. レイ・ロウ / Lay Low
11. マイ・オータムズ・ダン・カム / My Autumn's Done Come （リー・ヘイズルウッドのカバー）

『メモリー・マッスル』は、マーク・モリスの音楽的なルーツと、新たな挑戦が融合した、聴きごたえのある作品となっています。

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