メルビン・イングラム

メルビン・イングラム3世：NFLのベテランディフェンダー

メルビン・イングラム3世（Melvin Ingram III）は、1989年4月26日生まれのアメリカンフットボール選手。そのキャリアを通じて、ディフェンシブエンド（DE）とラインバッカー（LB）の両ポジションで高いパフォーマンスを発揮し、現在はマイアミ・ドルフィンズに所属しています。

プロ入り前

ノースカロライナ州のリッチモンド郡高校時代にはラインバッカーとして活躍。3年生時には87タックル、2.5サックを記録し、Rivals.comから四つ星評価を受け、全米で21番目のアウトサイドラインバッカーと評価されました。サウスカロライナ大学に進学し、スティーブ・スパリアー監督の下で2008年から2011年までプレーしました。2010年にはチームトップの9サックを記録し、2011年にはディフェンシブエンドとして10サック、15ロスタックル、2インターセプトをあげる活躍を見せました。特にジョージア大学戦では、フェイクパントからの68ヤードTDを含む2TDをあげるなど、年間で3TDを記録。チームディフェンスを全米4位に押し上げ、自身もサウスイースタン・カンファレンスのファーストチームとオールアメリカンファーストチームに選出されました。また、2012年1月にはシニアボウルにも出場し、ドラフト前のスカウティング・コンバインでは40ヤード走で4秒79を記録し、ポジション別ドリルでも素晴らしい動きを見せ、評価を高めました。

NFLキャリア

サンディエゴ/ロサンゼルス・チャージャーズ

2012年のNFLドラフトでは、パスラッシャーとして高い評価を受け、1巡全体18位でサンディエゴ・チャージャーズに指名されました。プレシーズンゲームではハーブ・テイラーを圧倒し、1年目から全16試合に出場、2試合で先発し、41タックル、2サックを記録しました。2013年には左ひざのACLを損傷するも、同年12月に復帰。第16週のオークランド・レイダース戦では1サック、1ファンブルフォースで勝利に貢献し、ワイルドカードプレーオフではシンシナティ・ベンガルズのQBアンディ・ダルトンにプレッシャーをかけ続け、インターセプトを奪いました。2014年は臀部の負傷に苦しみましたが、9試合に先発出場し、29タックル、4.0サック、2ファンブルフォースを記録。2015年にはチャージャーズが5年契約のオプションを行使。2017年にはフランチャイズタグを行使され、4年6600万ドルの契約を結びました。同年9月にはAFC月間最優秀守備選手に選ばれるなど、キャリアハイとなる活躍を見せました。2018年シーズン前には、チャージャーズがスーパーボウル制覇の準備ができたと語るなど、チームへの自信を示しましたが、チームはディビジョナルプレーオフで敗退。2020年はひざの負傷に苦しみ、7試合の出場で10タックルに留まり、サックを挙げることができませんでした。チャージャーズでは、113試合に出場し、348タックル、13ファンブルフォース、7ファンブルリカバー、3インターセプトを記録しました。

ピッツバーグ・スティーラーズ

2021年7月にはピッツバーグ・スティーラーズと1年契約を結びましたが、先発出場は1試合にとどまりました。

カンザスシティ・チーフス

2021年11月にはカンザスシティ・チーフスへトレード移籍。レギュラーシーズン6試合に先発出場し、15タックル、1サックを記録。ポストシーズンでも3試合に先発し、5タックル、2サックを記録しました。

マイアミ・ドルフィンズ

2022年5月16日、マイアミ・ドルフィンズと1年契約を結び、現在に至ります。

プレースタイルと人物

イングラムは、アウトサイドラインバッカーとディフェンシブエンドの両方をこなせるハイブリッドな選手として評価されています。その多才さから、ボン・ミラーからも高い評価を受けています。また、社会的な活動にも積極的に参加しており、2014年にはエリック・ガーナー窒息死事件に対する抗議運動に参加しました。

メルビン・イングラム3世は、その卓越した才能と努力でNFLの舞台で長く活躍し続けているベテラン選手です。彼の今後の活躍にも注目が集まります。

もう一度検索