メロディーレーン

メロディーレーン：奇跡のステイヤー

メロディーレーン（2016年2月12日生まれ）は、日本の競走馬界において、その類まれな小柄な体格と、それとは対照的な驚異的なスタミナで知られています。馬名の由来は椿の一種です。サラブレッドの平均馬体重が450～500kgである中、彼女の最小記録は330kg、最大でも358kg（2022年12月3日現在）と、非常に小柄です。

驚異の小柄な体格

JRA史上最高馬体重での出走・優勝記録を持つショーグン（640kg、626kg）と比較すると、その馬体重は約半分。ヒシアケボノ（スプリンターズステークス優勝時560kg）、アポロケンタッキー（東京大賞典優勝時565kg）、ドンフランキー（プロキオンステークス優勝時594kg）といった、過去にGIや重賞を制した重量級の馬たちと比べても、約6割程度の馬体重しかありません。オルフェーヴル産駒であることを考えると、同じくオルフェーヴル産駒で牝馬のJRA史上最高馬体重G1勝利記録を持つラッキーライラック（エリザベス女王杯優勝時522kg）と比べても、7割以下という小ささです。

この小さな体格ゆえ、負担重量の割合も非常に大きくなります。菊花賞出走時の斤量55kgは、馬体重340kgの約16％に相当し、キタサンブラック（菊花賞出走時530kg）に換算すると約86kgもの斤量を背負っている計算になります。

過去に300kg台の馬体重で好成績を残した馬は、カネヒムロ（優駿牝馬優勝時384kg）、スエヒロジョウオー（阪神3歳牝馬ステークス優勝時390kg）、オータジマ（中山大障害優勝時350kg程度と推定）などがいますが、メロディーレーンはそれらに匹敵する、あるいは凌駕する記録を次々と打ち立ててきました。地方競馬を含めた日本全体の最小馬体重出走記録は315kgですが、メロディーレーンはJRAにおいて、数々の最小馬体重記録を樹立しました。

血統と家族

父は三冠馬オルフェーヴル。オルフェーヴル自身も450kg前後とやや小柄な部類に入り、日本ダービー優勝時の444kgは同レース優勝馬史上最小タイ記録です。兄であるドリームジャーニーも、各レース優勝馬史上最小の馬体重で勝利を収めています。父方の祖父であるステイゴールドも、小柄な馬でした。一方、オルフェーヴル産駒には重量級の馬もおり、ラッキーライラックはその代表例です。

母メーヴェは平均的な体格の牝馬でした。受胎率が悪く、メロディーレーンとタイトルホルダー（菊花賞、天皇賞（春）、宝塚記念優勝馬）の後に不受胎が続きましたが、2023年には半妹が誕生しています。タイトルホルダーの馬体重は462～478kgと平均的な体格です。

競走生活

デビューは2歳（2018年）の10月。最小馬体重記録を更新しながらも、初勝利は3歳（2019年）の10戦目。その後、1勝クラス戦で芝2600mの日本レコードを樹立するなど、長距離レースへの適性を示しました。

菊花賞では、JRA重賞出走馬史上最小馬体重記録を更新して5着入線。その後、日経新春杯、阪神大賞典、天皇賞（春）など、数々の重賞レースにも挑戦しました。2021年には海の中道特別で勝利し、JRA特別競走での最小馬体重勝利記録を更新。古都ステークスでも勝利しオープン入りを果たしました。

2022年の天皇賞（春）では、弟のタイトルホルダーとの姉弟対決が実現。9着という結果でしたが、最後まで踏ん張る姿は多くの人々の心を掴みました。

アイドルホース

メロディーレーンは、その小柄な体格、愛らしい容姿、そしてオルフェーヴルの娘であることなどから、多くのファンを魅了するアイドルホースとなっています。JRAホームページでもその人気が度々取り上げられています。2021年のアイドルホースオーディションでは2位に輝き、その人気を改めて証明しました。

まとめ

メロディーレーンは、小さな体躯と持ち前のスタミナを武器に、日本の競馬界に新たな風を吹き込んだ競走馬です。その活躍ぶりと人気は、競馬ファンのみならず、多くの人々の記憶に刻まれています。彼女がこれからも元気で走り続けてくれることを願っています。

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