モトリー・クルー (アルバム)

モトリー・クルーは、1994年にセルフタイトルを冠した6枚目のアルバム『Motley Crue』をリリースしました。このアルバムは、バンドにとって大きな転換期に制作された作品です。1992年2月、オリジナル・ヴォーカリストのヴィンス・ニールが解雇され、新たに元The Screamのジョン・コラビが加入しました。

当初、アルバムタイトルは「ティル・デス・ドゥ・アス・パート」と予定されていました。アルバムは全米アルバムチャートで初登場7位を記録しましたが、翌週にはチャート圏外へと消えてしまいます。バンドのリーダーであるニッキー・シックスは、「モトリー・クルーの名前でリリースしたのが唯一の失敗だった」と語っています。

アルバムの音楽性は、当時の音楽シーンを席巻していたグランジ・オルタナティヴ・ロックの影響を受けながらも、モトリー・クルーらしさを失わない、クオリティの高い楽曲が揃っています。しかし、コラビの個性的なヴォーカルは、ヴィンス・ニールの声と一体であったバンドのイメージとは異なる印象を与え、賛否が分かれる要因となりました。

収録曲は、ヘヴィなリフが印象的な「パワー・トゥ・ザ・ミュージック」、ドラマティックな展開を持つ「ミスアンダーストゥッド」、ハードな「ハマード」など、バラエティに富んでいます。ボーナストラックには、「ヒプノタイズド」や「ベイビー・キルズ」などが収録されています。

参加ミュージシャンは以下の通りです。

ジョン・コラビ (John Corabi) - ボーカル、アコースティック・[[ギター]]
ミック・マーズ (Mick Mars) - ギター
ニッキー・シックス (Nikki Sixx) - ベース
トミー・リー (Tommy Lee) - ドラム

『Motley Crue』は、モトリー・クルーの歴史において、異色作として位置づけられています。ヴィンス・ニールの解雇とジョン・コラビの加入、そしてグランジ・オルタナティヴ・ロックの影響。これらの要素が複雑に絡み合い、独特のサウンドを生み出しました。このアルバムは、モトリー・クルーの新たな可能性を示唆する作品であると同時に、バンドのアイデンティティを問い直すきっかけにもなったと言えるでしょう。

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