モハンマド・モフベル

モハンマド・モフベル（ペルシア語: محمد مخبر, ラテン文字転写: Mohammad Mokhber、1955年6月26日 - ）は、イランの政治家です。エブラーヒーム・ライースィー政権下で第一副大統領を務めていましたが、2024年5月19日にライースィー大統領が事故死したため、大統領代行に就任しました。第一副大統領経験者で大統領代行に就任したのは、モフベルが初めてです。

第一副大統領に就任する以前は、イマームの命令実行本部（EIKO）の最高責任者や、フーゼスターン州の副知事を歴任しました。

経歴

モフベルはデズフールで生まれ育ちました。経営学の博士号と修士号を取得しています。イラン・イラク戦争中は、イラン革命防衛隊の医療部門で将校として従事した経験を持っています。1990年代にはフーゼスターン州副知事に就任し、2000年代にはシーナ銀行のCEOも務めました。2007年には、イマームの命令実行本部の責任者に就任しています。

2021年8月には、ライースィー大統領から第一副大統領に任命されました。2022年10月に勃発したロシアのウクライナ侵攻では、モフベルは他のイラン高官と共にロシアを支援する立場を表明し、シャヘド136と地対空ミサイルをロシアに供与することを決定しました。

2024年5月19日、ライースィー大統領が公務で移動中にヘリコプター墜落事故で死亡したことを受け、最高指導者アリー・ハーメネイーの任命により大統領代行に就任しました。その後、後任の大統領を選出する選挙を同年6月28日に実施することを発表しました。イランの憲法では、前大統領が辞任または死去した場合、その日から50日以内に新しい大統領を選出しなければならないと規定されています。

制裁

2010年7月、欧州連合（EU）は、当時EIKOの責任者であったモフベルを、核によるテロ活動に関与した疑いがあるとして制裁リストに加えました。2021年には、米国から「土地や財産を没収することによって、反体制派の権利侵害を行った」と非難され、人権侵害の疑いで米国から制裁を受けました。

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