モハーヴェ (カリフォルニア州)

カリフォルニア州カーン郡に位置する非法人コミュニティ、モハーヴェ。広大なモハーヴェ砂漠の西部にあり、オーククリークパスやテハチャピ山地の麓、そして東側に広がっています。カーン郡の中心都市ベーカーズフィールドから東へおよそ80キロメートル（50マイル）、カリフォルニア州最大の都市ロサンゼルスからは北へ約161キロメートル（100マイル）の距離にあります。海抜は約842メートル（2,762フィート）です。

モハーヴェの人口は、近年の増加傾向が見られます。2000年の国勢調査では3,836人でしたが、10年後の2010年の国勢調査では4,238人となり、人口が増えました。

この町の歴史は、1876年にサザン・パシフィック鉄道の建設が進められた際に、その作業拠点として設立されたことに始まります。鉄道開通後も、モハーヴェはその地理的な重要性からいくつかの役割を担いました。特に1884年から1889年にかけては、デスバレー国立公園近くにあった有名なホウ砂精製所、ハーモニー・ボラックス・ワークスからホウ砂を輸送する「20・ミュール・チーム」と呼ばれるキャラバンの西側の終着点となりました。これは全長約266キロメートル（165マイル）にも及ぶ長距離輸送でした。ホウ砂輸送の役割を終えた後、モハーヴェはロサンゼルス上水路建設プロジェクトにおいて、その建設作業の本部としても機能しました。

モハーヴェとその周辺地域は、長年にわたり航空および宇宙関連施設の中心地として発展してきました。近隣には、エドワーズ空軍基地、チャイナレイク海軍航空兵器基地、パームデール地域空港といった重要な航空・軍事施設が多数存在します。この地域にあるモハーヴェ空港も、その歴史の中で重要な役割を果たしてきました。通常の航空便の取り扱いに加えて、飛行試験の実施、発展する宇宙産業のための開発拠点、さらには航空機の整備や長期保管といった多様な業務を担っています。

以前はモハーヴェ空港として知られていたこの飛行場は、より広範な機能を反映して名称が変更されました。2012年11月20日、運営するイースト・カーン・エアポート・ディストリクト（EKAD）の理事会は、地区全体の名称をモハーヴェ航空宇宙港（Mojave Air and Space Port）とすることを正式に決定し、この名称は翌年2013年1月1日から使用開始されました。

モハーヴェ航空宇宙港は、多くの先進的な航空宇宙関連企業や研究機関の本拠地となっています。有名な宇宙船開発企業であるスケールド・コンポジッツや、民間パイロット育成の国立テストパイロット学校などがここに拠点を置いています。また、この宇宙港は歴史的な航空機の保管場所としても知られています。例えば、燃料無補給での世界一周無着陸飛行を初めて成功させた画期的な航空機、ルータン ボイジャー|ルータン_ボイジャー号がここで大切に保管されています。

さらに特筆すべきは、モハーヴェ航空宇宙港がアメリカ合衆国において初めて内陸部に設立された宇宙港であるという点です。ここは、民間による宇宙旅行の歴史における重要なマイルストーンが達成された場所でもあります。2004年6月21日、スケールド・コンポジッツが開発した有人宇宙船スペースシップワンが、ここモハーヴェ航空宇宙港から打ち上げられ、高度100キロメートルを超える宇宙空間に到達する最初の民間宇宙飛行を成功させました。この出来事は、その後の民間宇宙産業の発展に大きな影響を与えました。

町の地理的な位置を正確に示すと、北緯35度03分09秒、西経118度10分26秒に位置します。アメリカ合衆国国勢調査局によれば、モハーヴェの総面積はおよそ151平方キロメートル（58.4平方マイル）に及びます。町内には、地域の交通の歴史を伝えるモハーヴェ交通博物館もあり、訪れる人々に町の歩みを知る機会を提供しています。

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