モフアムシクイ属

モフアムシクイ属（学名：Mohoua）は、スズメ目に属する鳥類の属です。この属の名前「モフア」は、マオリ語でキイロモフアムシクイを指す「mohuahua」または「momohua」に由来しています。モフアムシクイ属は、狭義のムシクイ、つまりウグイス上科メボソムシクイ科メボソムシクイ属（Phylloscopus）とは、特に近縁関係にはありません。この属はニュージーランド固有の属として知られています。

系統と分類

モフアムシクイ属は、ニュージーランドムシクイ属（Finschia）と近縁であると考えられています。実際、モフアムシクイ属にニュージーランドムシクイ属を含めるという説も存在します。モフアムシクイ属（またはモフアムシクイ属とニュージーランドムシクイ属を合わせたグループ）の分類上の位置づけについては、これまで様々な説が提唱されてきました。モズヒタキ科（Pachycephalidae）やトゲハシムシクイ科（Acanthizidae）に分類されることもありました。

2009年のNormanらの研究によると、モフアムシクイ属はカラス上科の中で基底付近に位置するとされています。しかし、国際鳥類学会議（IOC）は、この研究結果を受け入れつつも、ニュージーランドムシクイ属と共に、科未定（Family Incertae Sedis）としています。これは、Normanらの研究ではカラス上科の全ての属が解析されていないため、解析されていない他の属と同じ科に分類される可能性があり、その場合、モフアムシクイ科（Mohouidae）という名称が使用できなくなる可能性があるためです。実際、モフアムシクイ科という科名は正式には提唱されていません。しかし、Zachary Aidalaらの2013年の論文では、モフアムシクイ属の種に対して新科Mohouidaeを適用すべきだと主張されています。この研究では、ニュージーランド固有のスズメ目とオーストララシアの狭義のカラス上科の系統を代表する種を対象に、核とミトコンドリアの配列データを用いた系統分析を行い、ベイズ推定を用いて解析した結果、モフアムシクイ属の3種（ニュージーランドムシクイを含む）が単系統を形成しており、モフアムシクイ科に分類することが妥当であると結論づけています。

Sibley分類では、モフアムシクイ属はカラス科モズヒタキ科モフアムシクイ族（Mohouini）の唯一の属として分類されていました。フエドリ亜科には、現在のモズヒタキ科とオーストラリアゴジュウカラ科が含まれていました。

種

モフアムシクイ属には以下の2種が属し、近縁のニュージーランドムシクイ属の1種も合わせて示します。

Mohoua albicilla (Whitehead): シロモフアムシクイ
Mohoua ochrocephala (Yellowhead): キイロモフアムシクイ
Finschia novaeseelandiae (Pipipi): ニュージーランドムシクイ（M. novaeseelandiae* とも表記）

モフアムシクイ属は、その分類上の位置付けが未だ確定していないものの、系統的な研究が進むにつれて、独自の科に分類される可能性が示唆されています。この属の種は、ニュージーランドの生態系において重要な役割を担っており、その保全が重要視されています。

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