モラーロ

モラーロ（Moraro）

モラーロは、イタリア共和国フリウリ＝ヴェネツィア・ジュリア州ゴリツィア県に位置する、人口約700人の基礎自治体（コムーネ）です。フリウーリ地方ののどかな農村地帯にあり、その静かで落ち着いた雰囲気は訪れる人々を魅了します。

名称

標準イタリア語では「Moraro」と表記されますが、フリウリ語では「Morâr」と呼ばれています。

地理

位置と広がり

モラーロは、ゴリツィア県の北部に位置し、県都ゴリツィアから西に約10km、ウーディネから南東へ約26km、州都トリエステからは北西に約38kmの距離にあります。コムーネの面積は3.5平方キロメートルと県内で最も小さいですが、その分、地域がコンパクトにまとまっています。

隣接コムーネ

モラーロは以下のコムーネと隣接しています。

北東: カプリーヴァ・デル・フリウーリ
東: サン・ロレンツォ・イゾンティーノ
南東: ファッラ・ディゾンツォ
南西: グラディスカ・ディゾンツォ
西: マリアーノ・デル・フリウーリ
北西: コルモンス

特に、北東のカプリーヴァ・デル・フリウーリと東のサン・ロレンツォ・イゾンティーノの市街地が近接しており、南にはフリウーリ東部の文化的中心地であるグラディスカ・ディゾンツォがあります。

気候と地震分類

モラーロはイタリアの気候分類では「zona E」に属し、度日は2279GGです。また、地震リスク階級では「zona 2」（中程度の地震リスク）に分類されています。

歴史

モラーロの歴史は古代ローマ時代にまで遡り、当時は「vicis」（村落）として存在していました。地名は、この地域に多く生えていた桑の木（Morars）に由来しており、ローマ人は桑からシロップを生産していました。

ランゴバルド人の集落もこの地に存在したと考えられ、その墓地の遺跡が発掘されています。出土品はウィーン自然史博物館に展示されています。

中世にはコルモンスの町に属していましたが、後にアクイレイアの教会領となりました。10世紀にはハンガリー、15世紀にはトルコの侵入を受け、1420年にはヴェネツィア共和国の領土となり、1497年にはハプスブルク君主国（後のオーストリア帝国）に編入されました。

第一次世界大戦休戦後の1918年にはイタリア王国が占領し、1920年に正式にイタリア領となりました。

社会

人口

モラーロの人口は、約700人と小規模です。地域住民のコミュニティが密接で、温かい雰囲気が特徴です。

居住地区

イタリア国立統計研究所（ISTAT）によると、モラーロには以下の居住地区があります（2001年時点）。


centro abitato は、家屋密度の高い居住の中心地区、nucleo abitato は密度の低い居住核となる地区、case sparse はまとまった居住地区を形成していない散在家屋を指します。
「」印は、コムーネの役場が置かれている地区を示します。

文化・観光

毎年初夏には、モラーロで「Morarock」というハードロック・ヘビーメタルの音楽フェスティバルが開催されます。このフェスティバルは国内外から多くのミュージシャンやファンを集め、地域を盛り上げています。

脚注

コムーネ公式サイト
県サイトによるコムーネの紹介
州観光局サイトによるコムーネの紹介（イタリア語）
州観光局サイトによるコムーネの紹介（英語）

もう一度検索