グラディスカ・ディゾンツォ

グラディスカ・ディゾンツォの概要

グラディスカ・ディゾンツォは、イタリア共和国フリウリ＝ヴェネツィア・ジュリア州ゴリツィア県に位置するコムーネ（基礎自治体）です。人口は約6,400人で、フリウーリ地方東部の文化的な中心地として知られています。イゾンツォ川の右岸に位置し、周辺地域への交通の要衝としても重要な役割を担っています。

名称

この街は、周辺地域で異なる言語で様々な名前で呼ばれています。

フリウリ語: Gardiscje
フリウリ語ゴリツィア方言: Gardiscja
スロベニア語: Gradišče ob Soči
ドイツ語: Gradis am Sontig

これらの名称は、この地域が歴史的に様々な文化の影響を受けてきたことを示唆しています。

地理

位置と広がり

グラディスカ・ディゾンツォは、ゴリツィア県の北部に位置しています。主要都市からの距離は、モンファルコーネの北北西約10km、県都ゴリツィアの西南約11km、ウーディネの南東約29km、そして州都トリエステの北西約35kmです。イゾンツォ川の右岸に位置しますが、コムーネの領域は対岸にも広がっています。

地理的特徴

グラディスカ・ディゾンツォは、西北に広がるフリウーリ地方と、南に広がる沿岸平野部のビシアカリア地方、そしてイゾンツォ川中流域のヴィパッツォ谷を結ぶ交通の要衝です。このため、フリウーリ地方東部の中心地としての役割を担っています。

隣接するコムーネ

周辺には以下のコムーネが隣接しています。

北: マリアーノ・デル・フリウーリ
北東: モラーロ、ファッラ・ディゾンツォ
南: サグラード、フォリアーノ・レディプーリア
南西: ヴィッレッセ
西: ロマンス・ディゾンツォ

地勢

コムーネの南部にはイゾンツォ川が流れ、その周辺には広大な平野が広がっています。

気候と地震

グラディスカ・ディゾンツォは、イタリアの気候分類で zona E、2258 GG に分類されます。また、地震リスク階級では zona 3 (sismicità bassa) に分類されており、地震のリスクが比較的低い地域です。

歴史

古代・中世

グラディスカの名称は、古代スロベニア語で「要塞」を意味する「gradišče」に由来します。1176年にはアクイレイアの総大司教領に含まれており、当時からラテン系とスラブ系の住民が混在していました。1473年にはヴェネツィア共和国に併合され、要塞化が進められました。その後、1511年にはハプスブルク家の所領となり、1615年には「グラディスカ戦争」の舞台となりましたが、最終的には皇帝の領土として維持され、グラディスカ伯国の首都となりました。その後、エッゲンベルク家がこの地を領有し、発展に貢献しました。

オーストリア統治時代

1717年にエッゲンベルク家が断絶すると、再びハプスブルク家の所領となりました。1754年にはゴリツィア伯国に編入され、ゴリツィア・グラディスカ伯国の一部となりました。ナポレオンによる占領を経て、ウィーン会議によりオーストリア帝国領に復帰。1816年にはイリュリア王国、1849年にはゴリツィア・グラディスカ公国の一部となりました。第一次世界大戦では、オーストリア・ハンガリー帝国側として戦い、戦後イタリアに割譲されました。

社会

人口

国立統計研究所（ISTAT）によると、2001年時点で居住地区別の人口データが公開されています。コムーネ内の居住地区は、家屋密度の高い centro abitato （居住の中心地区）、密度の低い nucleo abitato （居住の核となる地区）、そして散在する家屋 case sparse に分類されています。コムーネの役所は centro abitato に置かれています。

文化・観光

グラディスカ・ディゾンツォは、「イタリアの最も美しい村」クラブに加盟しており、その魅力的な景観と歴史的な建造物を誇ります。中心部には古い城が残り、周辺には郵便局、銀行、ホテル、レストラン、教会、劇場などが立ち並び、商店街も形成されています。また、著名なコレペティートルが居住しており、世界中から音楽家を目指す若者が集まる場所でもあります。

グラディスカ城

15世紀にヴェネツィア人によって築かれたグラディスカ城は、16～17世紀のオーストリア統治下で拡張されました。その後、監獄としても使用された歴史を持ちます。

交通

道路

グラディスカ・ディゾンツォには、以下の道路が通っています。

高速道路: RA17
国道: SS305, SS351

イゾンツォ川沿いを走る国道SS351は、コムーネを貫き、近隣のファッラ・ディゾンツォやヴィッレッセを結んでいます。また、SS305は、北のマリアーノ・デル・フリウーリや、南のサグラード、フォリアーノ・レディプーリアへと続いています。

高速道路RA17は、東にゴリツィアを経由してスロバキアへ、西はヴィッレッセで高速道路A4に合流します。これにより、周辺地域へのアクセスが容易になっています。

人物

著名な出身者

ジーノ・コラウッシ: 1930～40年代に活躍したサッカー選手


グラディスカ・ディゾンツォは、歴史、文化、地理、そして交通の要衝としての重要な役割を担う、魅力的な街です。

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