モンコノサウルス

モンコノサウルス：謎多き最古級の剣竜

モンコノサウルス（学名: Monkonosaurus、「モンコンのトカゲ」の意味）は、チベットの後期ジュラ紀の地層から発見された剣竜類の恐竜です。生息年代は約1億6300万年前から1億5210万年前と考えられ、チュンキンゴサウルスやバシャノサウルスと共に、最古の剣竜類の一つとされています。

発見と命名

モンコノサウルスは、1986年に趙喜進によって初めて記載されました。属名は、マルカム県（「モンコ」としても知られる地域）に由来します。当初、趙は詳細な定義や種小名を与えなかったため、この名称は裸名（正式な記載が不十分な名前）の状態でした。その後、1990年に董枝明によって詳細な記載が行われ、タイプ種であるMonkonosaurus lawulacus（モンコノサウルス・ロウラクス）が命名されました。種小名は、発見地の近くにある拉烏山脈にちなんでいます。

ホロタイプ標本 IVPP V 6975 は、頭蓋骨を欠いた部分的な骨格で構成されています。この骨格には、骨盤、仙骨、2個の椎骨、および3個のプレートが含まれています。この標本は、おそらく後期ジュラ紀のLoe-ein Formation、または前期白亜紀のLura Formationから発見されたと考えられています。

疑問名としての側面

モンコノサウルスの標本は、単一の骨格が断片的であるため、その有効性には疑問が呈されています。一部の研究者は、モンコノサウルスを疑問名（分類学的な位置づけが不確かな名前）として扱っています。これは、標本の状態が不完全であるため、他の剣竜類との明確な区別が難しいことが理由です。

形態と特徴

モンコノサウルスの成体は、全長約5メートルに達したと推定されています。腸骨の長さは約905ミリメートルで、仙骨は5個の仙椎で構成されています。体の各部位の正確な形状や特徴については、標本の断片性から不明な点が多く残されています。

分類

趙（1983年）は、モンコノサウルスをOligosacralosauroidea上科に分類しましたが、この分類群は現在では廃止されています。後の研究者たちは、モンコノサウルスをステゴサウルス科の一員として扱っていますが、その位置づけは依然として不確かな部分があります。

モンコノサウルスは、その化石の希少性と断片性から、研究が難しい恐竜です。しかし、その存在は、剣竜類が初期に多様化していたことを示唆する重要な証拠となっています。今後の研究によって、モンコノサウルスの分類学的な位置づけや生態がより明確になることが期待されます。

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