ステゴサウルス科

ステゴサウルス科 (Stegosauridae)

ステゴサウルス科は、装盾亜目剣竜下目に属する恐竜の一グループです。剣竜類の中でも、特にステゴサウルスに近縁な種が分類されます。その名前は、最も有名な属であるステゴサウルス（「屋根のトカゲ」の意味）に由来します。

生息期間と分布

ステゴサウルス科の化石は、北米、ユーラシア、アフリカのジュラ紀中期から白亜紀前期の地層から発見されています。姉妹群であるファヤンゴサウルス科は、ジュラ紀中期に限定されています。

形態と特徴

ステゴサウルス科には、ステゴサウルス、ヘスペロサウルス、ダケントルルス、ミラガイア、ロリカトサウルス、ケントロサウルスなどが含まれます。これらの恐竜は、他の剣竜類と同様に、四足歩行の植物食動物であり、首から尾にかけて骨質の板やスパイクを備えています。

骨質の板 (装甲板)

背中に並んだ大きく薄い板は、対になっているものが多く、防御、体温調節、ディスプレイなどの用途があったと考えられていますが、その機能についてはまだ議論があります。

尾のスパイク (サゴマイザー)

尾の先にあるサゴマイザーは、護身用の武器として使われたと考えられています。その機能は成長段階によって異なり、研究者の間で議論の対象となっています。

その他の特徴

ステゴサウルス類は、ファヤンゴサウルス科とは異なり、前上顎骨の歯を失っており、前肢が後肢よりも短いという特徴があります。胴椎は神経弓によって伸長しています。

分類

1877年、マーシュはステゴサウルス・アルマトゥスを発見・命名し、1880年にステゴサウルス科を設立しました。

初期にウェルホサウルスとファヤンゴサウルスとして記載された標本は、後にステゴサウルス・ホムヘニおよびステゴサウルス・mjosiとして再分類されました。また、多くのステゴサウルスの種が、種内変異によって説明できるとして、アルマトゥス種に統合されました。

ステゴサウルス科の構成については議論が続いていますが、2017年までの系統分析では、類似の系統関係が示されています。ミラガイアとダケントルルスは姉妹群としてダケントルルス亜科を構成します。ダケントルルスは以前は原始的なステゴサウルス類と考えられていましたが、ミラガイアの発見により、より派生的なタクソンであることがわかりました。

系統

（系統樹の図は省略）

プレートの役割

背中のプレートの役割については、血管の痕跡から体温調節機能が考えられていましたが、後の研究では、プレートを覆う角質の鞘が断熱性が高いため、防御やディスプレイが主な役割であった可能性が指摘されています。体温調節は二次的な機能であったと考えられています。

解剖学

尾のスパイク（サゴマイザー）がディスプレイとして使われたのか、武器として使われたのかは議論されています。バッカーは、尾椎の柔軟性と後肢の発達から、サゴマイザーが武器として使用されたと主張しました。マクウィニーらの研究では、サゴマイザーには相手に致命傷を負わせるだけの威力があったことが示唆されています。実際に、アロサウルスの尾椎には、ステゴサウルスのサゴマイザーによるものと思われる刺創の治癒痕が見つかっています。

ステゴサウルス・ステノプスは4本のスパイクを持ち、それぞれ約60〜90センチメートルの長さです。これらのスパイクは尾に対して平行に伸びており、武器として使用された証拠が複数の種で確認されています。

2012年の組織学的研究では、ヘスペロサウルスの皮骨（骨化した皮膚）の構造がステゴサウルスのそれと本質的に同一であることが確認されました。CTスキャンにより、皮骨が薄く高密度の外壁と厚いスポンジ状の骨で満たされていることが明らかになりました。

2010年には、ステゴサウルスの皮膚の印象化石が発見されました。胴体側面の下部には、小さな六角形の鱗が並んでおり、側面の上部には大きな中央鱗を持つロゼット状の構造が見られました。背中のプレートの下側には、鱗がなく滑らかな表面があり、垂直な溝が見られました。この溝は、プレートが角質の鞘に覆われていたことを示唆しており、防御機能を強化していたと考えられています。

性的二形

2015年、エヴァン・トーマス・セイタはヘスペロサウルスに性的二形があることを発見しました。彼は、高いプレートを持つ個体はメスであり、低いプレートを持つ個体はオスであると主張しました。しかし、この結論には疑問を呈する研究者もいます。

脚注

[ここに参考文献や脚注を挿入]

関連項目

恐竜の一覧
絶滅した動物一覧

もう一度検索