モンテネグロ航空

モンテネグロ航空について

モンテネグロ航空（Montenegro Airlines）は、モンテネグロを代表する航空会社であり、その本拠地は首都ポドゴリツァに位置するポドゴリツァ空港です。会社は主にヨーロッパ各地への定期便を運航しており、モンテネグロ国内にはポドゴリツァとティヴァトの2つの空港があります。しかし、両空港は約80キロしか離れていないため、国内便は実質的に運航されていない状態です。このため、現在のモンテネグロ航空の運航路線はすべて国際線に限られています。その航空券の座席予約システムは、アマデウスITグループが運営するアマデウスを利用しています。

歴史

モンテネグロ航空は1994年10月、当時のユーゴスラビアに属していたモンテネグロ共和国政府によって設立されました。最初の商用機であるフォッカーF28型機の購入は遅れ、1997年5月にはポドゴリツァとバーリを結ぶ路線が開設され、ようやく運航を開始しました。しかし、設立当初はEUによって乗り入れ禁止に指定されていましたが、1999年にその禁止措置は解除され、年末にはフランクフルト路線の運航も開始。以降は、チューリッヒやリュブリャナ、スコピエ、イスタンブール、ブダペストなど、東欧の主要都市への路線を順次拡大しました。

2003年までに、フォッカー100型機を4機購入し、2004年には設立以来の総旅客運航数が100万人を超えるほどの成長を遂げました。その後の3年間で、旅客数はさらに増加し、200万人を突破するに至りました。しかし、2006年にモンテネグロが独立を宣言すると、セルビアが「外国」となり、セルビア政府の保護主義政策により、一部のドル箱路線を閉鎖せざるを得なくなりました。

この問題に対処するため、モンテネグロ航空はセルビア内に別の航空会社「マスター・エアウェイズ」を設立しましたが、こちらも認可されませんでした。2007年にはエンブラエル195型機のリースを開始し、新たにロンドンやミラノへの路線が開設されました。その後、さらにエンブラエル195型機を購入し、運航ネットワークの拡大を目指しています。

現在、モンテネグロ航空は民営化の方向で進んでおり、政府は保有株式の全てを売却する計画を持っています。

就航都市

モンテネグロ航空は以下の都市への定期便を運航しています：

• - モンテネグロ: ポドゴリツァ、ティヴァト
• - セルビア: ベオグラード
• - スロベニア: リュブリャナ
• - ハンガリー: ブダペスト
• - オーストリア: ウィーン
• - スイス: チューリッヒ
• - ドイツ: フランクフルト・アム・マイン
• - イタリア: ローマ、ミラノ
• - フランス: パリ
• - イギリス: ロンドン（ガドウィック空港）
• - ロシア: モスクワ

また、アドリア航空、オーストリア航空、マレーヴ・ハンガリー航空とのコードシェア便も運航しています。

事件・事故

モンテネグロ航空には、過去にいくつかの事件がありました。2005年1月25日、ポドゴリツァ空港への着陸予定のフォッカー100型機が誤って滑走路脇に着陸し、前輪が折れる事故が発生。その際、乗客やパイロットに軽傷者が出ました。また、2008年1月にはポドゴリツァ空港に着陸中のフォッカー100型機が弾を受けるという珍しい事件が起こりました。定期点検で尾部に弾痕が発見され、神現祭の祝砲の流れ弾が原因かもしれないと考えられています。

モンテネグロ航空は、国際的に競争の激しい航空業界において、独自の立ち位置を確立し続けています。

もう一度検索