モンテ・グラッパ

モンテ・グラッパ：歴史と自然が息づく山

モンテ・グラッパ（Monte Grappa）は、イタリアのアルプス山脈に属する標高1775mの山です。プレアルピ・ヴェーネテの一部をなし、ヴィチェンツァ県、トレヴィーゾ県、ベッルーノ県の境界に位置しています。その名前の由来は定かではありませんが、「アルプスの母」（Alpe Madre）とも呼ばれていました。

ユネスコ生物圏保護区

2021年、モンテ・グラッパを含むブレンタ川、ピアーヴェ川、フェルトレなどで囲まれる地域は、ユネスコの生物圏保護区に指定されました。この地域は、豊かな自然と生物多様性を保全する重要な場所として認められています。

第一次世界大戦の舞台

モンテ・グラッパは、第一次世界大戦において激戦地となりました。特に、カポレットの戦いでイタリア軍が敗北した後、山の頂上はイタリア軍の重要な防衛拠点となりました。オーストリア軍はヴェネト平原への侵攻を目指し、何度もこの地を攻略しようと試みましたが、イタリア軍は岩の中に地下壕を構築し、大砲を配備して防衛線を維持しました。現在、山頂には第一次世界大戦の戦没者を慰霊する施設や博物館があります。

宗教的な場所

モンテ・グラッパには、1901年に後の教皇ピウス10世となるジュゼッペ・サルト枢機卿によって建てられた「救済の聖母の小礼拝堂」があります。この礼拝堂は、地元の人々にとって重要な宗教的な場所となっています。

自転車競技の聖地

モンテ・グラッパは、その美しい景観と厳しい勾配から、自転車愛好家にとって人気の高い場所です。特に「ストラーダ・カドルナ」と呼ばれる道は、第一次世界大戦中に建設されたもので、ロマーノ・デッツェリーノの中心部から山頂まで27kmの道のりです。最初の8kmは特に勾配がきつく、最後の3kmも平坦に見えますが、実際には厳しい坂道が続きます。他にも、カプオやヴァッレ・ディ・セレーン、セモンツォなど、様々なルートから山頂を目指すことができます。

モンテ・グラッパは、過去に何度もジロ・デ・イタリアのコースに組み込まれ、いくつかの区間ではゴール地点にもなりました。毎年7月には、バッサーノ・モンテ・グラッパ愛好家のためにクラシックレースが開催されています。過去の優勝者には、ジーノ・バルタリ、ジルベルト・シモーニ、ダミアーノ・クネゴなどがいます。2010年には、ヴィンチェンツォ・ニバリがこの地で勝利を収めました。

その他の情報

モンテ・グラッパは、その歴史的な重要性と自然の美しさから、多くの観光客や登山客が訪れる場所となっています。また、近隣地域には、グラッパなどの特産品もあり、グルメを楽しむこともできます。

関連項目

グラッパ
ドロミーティ

外部リンク

モンテ・グラッパ山岳共同体
Google Mapとモンテ・グラッパ
グラッパとプレアルピ
ロマーノ・デッツェリーノからの坂の高度測量結果
セモンツォからの坂の高度測量結果
セレーンからの坂の高度測量結果
カウポからの坂の高度測量結果
モンテ・グラッパ山塊に全てを捧げたサイト
* Percorso escursionistico TV1 dal Monte Grappa al Cansiglio

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