モンパルナス駅(Gare Montparnasse)は、
フランスの首都
パリに位置する
フランス国鉄(SNCF)の主要
ターミナル駅の一つです。
パリ南部の
モンパルナス地区に位置し、行政区では14区と15区にまたがっています。
利用可能な路線と列車
この駅は、主に
フランス西部・南西部方面への列車の始発駅として機能しています。
パリから西へ向かう路線はサン・ラザール駅からも出ており、
ヴェルサイユへは両駅からの路線があります。
モンパルナス駅発の路線は「左岸線」、サン・ラザール駅発の路線は「右岸線」と呼ばれています。
主な路線と列車は以下の通りです。
TGV:LGV大西洋線経由で、ル・マン、レンヌ、ナント、トゥール、ボルドー方面へ
コライユ:
フランス西部方面へ
TERサントル:シャルトル方面へ
TERバス・ノルマンディー:グランヴィル方面へ
近郊列車(Transilien):N線でヴェルサイユ経由イヴリーヌ県方面へ
モンパルナス=ビヤンヴニュ駅と接続しており、メトロへの乗り換えが可能です。パリの主要ターミナル駅の中で唯一、RERとの接続はありません。
駅の構造
駅は南北方向に28線(東から1〜24番線、25〜28番線)の線路があります。ホームはすべて頭端式で、駅全体が北向きの傾斜地に位置しています。北側は高架駅ですが、南側は掘割状の構造になっており、パスツール大通りの跨線橋が駅の上を通っています。25〜28番線は他のホームから離れ、パスツール大通りの南側にあります。
モンパルナス駅には3つの駅舎があります。
1. ポルト・オセアン(Porte Océane):1〜24番ホームの北側に位置し、主要な駅舎です。地上部にはラウル・ドートリー広場とメーヌ大通りへの出入り口、地下1階にはメトロへの連絡通路があります。ホーム頭端部のコンコースはオール・メーヌと呼ばれています。
2. パスツール駅(Gare Pasteur):パスツール大通りの北側、1〜24番ホームの南よりの上に位置する橋上駅舎です。コンコースはパスツール大通りの1つ下の層にあり、オール・パスツールと呼ばれています。駐車場やタクシー乗り場と直結しています。
3. ヴォージラール駅(Gare Vaugirard):パスツール大通りの南側、25〜28番ホームの頭端側に位置します。他の駅舎、ホームとは24番ホーム上の動く歩道で結ばれています。
これらの駅舎、特にヴォージラール駅と25〜28番ホームは、地図や時刻表で別の駅として扱われることがあります。
ホームは原則として以下のように使い分けられています。
1〜9番線:
TGV
10〜17番線:Transillien
18〜24番線:TERサントル(
TGVも利用)
* 25〜28番線:Corail、TERバス・ノルマンディー
Transillien用ホームの入口には
自動改札機が設置されています。パスツール大通りより北側のホーム上は人工
地盤で覆われており、その上にアトランティック庭園があります。
歴史
モンパルナス駅の起源は
1840年に開業した
パリ-
ヴェルサイユ左岸線の起点駅です。開業時は「メーヌ
城門桟橋」と呼ばれていました。
1852年には
モンパルナス大通りに接する位置に新駅が開業しました。
1855年には西部鉄道が発足し、
モンパルナス駅は「西駅-左岸」とも呼ばれるようになりました(「右岸」駅はサン・ラザール駅)。
1895年には、
モンパルナス駅脱線事故が発生し、鉄道史に大きな衝撃を与えました。列車が駅舎を突き破り、駅前の広場に落下する事故は、多くの人々に記憶されています。
1960年代には、
パリの再開発の一環として駅が南に移転し、跡地には
モンパルナス・タワーが建設されました。
1989年のLGV大西洋線開通に伴い、駅は増改築され、現在に至ります。
駅周辺
駅北側の旧
モンパルナス駅跡地には、
モンパルナス・タワーや
ショッピングセンターがあります。旧駅跡地の通りは、出発通りと到着通りと呼ばれ、旧駅舎の利用方法の名残をとどめています。
旧駅前広場からは
レンヌ通りが
パリ中心部へ延びています。駅周辺には
レジスタンス運動や
パリの解放を記念する場所が多く、アトランティック庭園には
フィリップ・ルクレールと
ジャン・ムーランを記念する博物館があります。また、
クレープ店が多数軒を連ねています。
メトロ・バス
メトロ4、6、12、13号線の
モンパルナス=ビヤンヴニュ駅と接続しており、オセアン駅舎の地下一階から直接アクセスできます。ラウル・ドートリー広場には「
モンパルナス駅」バス停があり、
パリ市内各地への路線バスが発着します。また、空港行きのバスも利用可能です。
隣の駅
(省略)
モンパルナス駅は、
パリの主要な交通拠点として、今日も多くの人々に利用されています。