モーデカイ・ブラウン

モーデカイ・ピーター・ブラウン

モーデカイ・ピーター・センテニアル・ブラウン（Mordecai Peter Centennial Brown）は1876年10月19日にアメリカのインディアナ州で生まれた、著名な野球選手であり、主なポジションは投手です。彼は右投げ・両打ちで、特に「スリーフィンガー」という愛称で知られています。このニックネームは、彼の手に負ったハンディキャップに由来しており、彼がメジャーリーグで239勝を上げ、その通算防御率が2023年現在で歴代3位という偉業を達成したことが、彼のプレースタイルの一部として知られています。

幼少期と初期のキャリア

ブラウンは、7歳の時に叔父の農場での事故により、手に重傷を負いました。この事故により、彼の人差し指と小指の先が切断され、さらには中指が小指に向かって曲がった状態でボールを投げることになりました。このハンディキャップにもかかわらず、彼は投手としての道を歩み始めました。191年にはインディアナ州のマイナーリーグで素晴らしい成績を残し、1903年にはセントルイス・カージナルスからメジャーデビューを果たします。

投球スタイルと成績

ブラウンは、ストレートに加え、チェンジアップや大きく落ちる変化球を投げることができましたが、彼の手の状態から横に曲がるボールを投げることは難しかったと考えられています。実際に、タイ・カッブは自伝の中で彼がフォークボールを投げていたと記しています。シカゴ・カブスに移籍した後の1904年からは安定したピッチングを見せ、この年には防御率1.86を記録します。以降の7年間のうち6シーズンでは防御率が1点台という素晴らしい成績を残しました。

カブスは、1906年から1908年にかけてリーグを3連覇し、ワールドシリーズでもデトロイト・タイガース相手に連覇を果たしました。特にクリスティ・マシューソンとの投げ合いは有名で、ブラウンは彼との対戦では9連勝したこともあります。

彼のキャリアの中では、1911年にメジャーリーグ初の年間2桁セーブ（13セーブ）を達成し、1914年に新たに設立されたフェデラル・リーグに移籍。リーグが消滅後の1916年にはカブスに戻り、同年9月4日に現役を引退しました。この試合では、彼のライバルであるクリスティ・マシューソンも同じく現役最後の登板を行っています。

引退後の活動と晩年

引退後のブラウンは故郷に戻り、1945年まで給油所を経営しながら、地元のマイナーリーグチームで監督やコーチを務めていました。また、彼は10年以上にわたりエキシビションゲームにも出場を続けました。しかし、晩年には糖尿病や脳卒中を患い、1948年にインディアナ州で亡くなりました。彼の偉業を称えて、1949年にはベテランズ委員会によりアメリカ野球殿堂に選出されました。

投手としての成績

モーデカイ・ピーター・ブラウンは、通算成績で239勝を挙げ、通算防御率は2.06と歴代3位にランクインしています。また、シーズン防御率1.04（1906年）や最多勝利、最優秀防御率、最多セーブなどの記録も保持しています。彼は草創期の野球界でその名を知られる選手であり、後の投手たちにも影響を与えました。

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