モーリッツ・フォン・アンハルト＝デッサウ

モーリッツ・フォン・アンハルト＝デッサウ（1712年10月31日 - 1760年4月11日）は、アンハルト＝デッサウ侯レオポルト1世、通称「老デッサウ」の五男として生まれました。彼は軍人としてプロイセン王国に仕え、元帥の地位にまで上り詰めました。

初期の軍歴

1725年、モーリッツはプロイセン陸軍に入隊し、軍人としてのキャリアをスタートさせました。彼の最初の戦闘経験は、ポーランド継承戦争への志願兵としての参加でした。フリードリヒ・ヴィルヘルム1世の晩年には、軍の指揮を執るようになり、その才能を発揮し始めました。

シュレージエン戦争での活躍

フリードリヒ2世（大王）の治世下で行われたシュレージエン戦争において、モーリッツは特に目覚ましい活躍を見せました。1745年のホーエンフリートベルクの戦いなどでは、その軍事的な才能が際立ち、プロイセン軍の勝利に大きく貢献しました。

老デッサウこと父レオポルト1世の最後の戦いとなったケッセルスドルフの戦いでは、モーリッツが率いる一翼がオーストリア軍の戦列を突破し、プロイセン軍を勝利に導きました。この戦いでの彼の功績は、軍内外で高く評価されました。

七年戦争

シュレージエン戦争終結後、七年戦争が勃発するまでの間、モーリッツはフリードリヒ2世から、当時荒廃していたポンメルン地方とオーデル川沿岸への植民事業を命じられました。彼はこの事業に尽力し、地域の復興に貢献しました。

1756年に七年戦争が再び勃発すると、モーリッツはピルナ包囲戦に参加し、ザクセン軍をピルナに封じ込めるプロイセン軍の一部隊を指揮しました。オーストリア軍による救援の試みが失敗に終わると、モーリッツはフリードリヒ・アウグスト・フォン・ルトフスキーから降伏を受けました。

翌年のコリンの戦いでは、モーリッツは左翼を率いましたが、フリードリヒ2世との連携がうまくいかず、早まって攻撃を開始してしまい、プロイセン軍は大敗を喫しました。この敗戦により、モーリッツはフリードリヒ2世の不興を買ってしまいます。

しかし、1757年12月5日のロイテンの戦いでプロイセン軍が勝利すると、フリードリヒ2世は戦いの終わりにモーリッツのもとへ自ら歩み寄り、「おめでとう、元帥」と声をかけました。この言葉は、モーリッツのこれまでの功績を認め、再び彼を高く評価するものでした。

ツォルンドルフの戦いでもモーリッツは勇敢に戦いましたが、ホッホキルヒの戦いでは負傷し、オーストリア軍の捕虜となってしまいました。彼はこの負傷がもとで、釈放された直後に亡くなりました。

モーリッツ・フォン・アンハルト＝デッサウは、その軍事的な才能と数々の戦いでの功績により、プロイセン王国の発展に大きく貢献した人物として、歴史に名を残しています。

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