モー・イ・ラーナ

モー・イ・ラーナ（Mo i Rana）

モー・イ・ラーナは、ノルウェーのヌールラン県に位置する、ラーナ市の中心地区です。他の「モー」という地名と区別するためにこう呼ばれますが、地元では単に「モー」と呼ばれています。北極圏の南、ヘルゲラン地方に位置し、美しい自然に囲まれた地域です。

地理

ランフィヨルドの奥深く、スヴァルティーセン氷河の麓に位置し、ラネルヴァ川がフィヨルドに流れ込む場所にあります。周辺には多くの洞窟があり、グロンリグロッタとセーテルグロッタは一般公開されています。北へ80kmほど行くと北極圏に入ります。

気候は亜寒帯気候で、長く寒い冬と短い涼しい夏が特徴です。メキシコ湾流の影響で冬は比較的温暖ですが、天候は変わりやすく予測困難です。夏と冬の日照時間の差が大きく、冬にはオーロラが見られます。

歴史

鉄器時代から人が住み着き、採鉱、舟づくり、狩猟、漁業が主な生活手段でした。1730年にはサーミ人の市場が開かれ、1860年には交易所が設けられ、スウェーデンとの交易が盛んになりました。

20世紀に入ると鉄鉱石の採掘が本格化し、1946年にはノルウェー初の製鉄所の建設地に選ばれました。1955年に操業を開始すると、モー・イ・ラーナは漁村から工業都市へと変貌を遂げ、人口が急増しました。

1988年に製鉄所の経営権が国から放棄されましたが、モー工業団地には様々な企業が進出し、新たな雇用を創出しています。

行政

1839年にラーナ市が二分され、1844年にモー市が誕生しました。1964年には周辺の市町村と合併し、ラーナ市となりました。

経済

かつては製鉄業が中心でしたが、現在はサービス業が発展しています。モー工業団地は地域経済において重要な役割を果たしており、ノルウェー国立図書館の分館や地域熱供給施設、ノルウェー放送協会の支局なども存在します。

交通

モー・イ・ラーナ空港があり、オスロなどへの航空便が就航しています。鉄道ヌールラン線も通り、E06号線とE12号線が利用できます。

文化

ランフィヨルドには、アントニー・ゴームリー作の彫刻「海男（Havmann）」が設置されています。毎年5月にはハヴマンダゲーネ祭りが開催されます。ヌールラン一座は地域で巡業公演を行っており、ラーナ博物館では20世紀の町の日常をテーマにした展示を見ることができます。

教会

1724年建立のモー教会は、町内最古の建築物です。グルーベン教会は、モー・イ・ラーナが発展した1965年に建てられました。

姉妹都市

フェアバンクス（アメリカ合衆国、アラスカ州）
ペトロザヴォーツク（ロシア）
* シェレフテオ（スウェーデン）

モー・イ・ラーナは、豊かな自然と歴史、そして未来への可能性を秘めた魅力的な街です。

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