ヤマカツリリー

ヤマカツリリーは、2000年2月15日生まれの日本の競走馬、繁殖牝馬です。その馬名の由来は、冠名とユリの組み合わせによるものです。

競走馬としてのキャリアは、2002年7月14日、小倉競馬場での2歳新馬戦デビューから始まりました。初戦は2着と惜しくも勝利を逃しましたが、3週間後の同競馬場での2歳新馬戦で初勝利を飾ります。年末には、格上挑戦として阪神ジュベナイルフィリーズに出走し、11番人気という下馬評を覆し2着と好成績を残しました。

翌2003年3月、桜花賞のトライアルレースであるフィリーズレビューで、重賞初制覇を成し遂げます。3番手からレースを進め、直線で先頭に立ったモンパルナスをゴール前で差し切る見事な勝利でした。続く桜花賞では、前有利に進みますが、直線で伸びを欠き4着に終わりました。優駿牝馬でも4着と好走するものの、その後は勝ち星に恵まれませんでした。クイーンステークスでは9着と大きく負け、秋華賞トライアルのローズステークスでは2着と健闘するも、秋華賞では3着、エリザベス女王杯では7着と結果を残せず、長期休養に入りました。

約1年後の2004年11月、霜月ステークスで復帰しますが、12着と振るわず、年末の阪神牝馬ステークスでも11着と低迷。このレースを最後に競走馬を引退しました。フィリーズレビューでの重賞勝利以降は、勝ち星を挙げることなく引退することとなりました。

引退後は、繁殖牝馬として活躍の場を移しました。鮫川啓一牧場、社台コーポレーション白老ファーム、中原牧場を経て、新冠タガノファームで繋養されました。2009年12月26日には、初仔のヤマカツハクリュウが2歳未勝利戦を制し、産駒初勝利を挙げました。2020年11月には繁殖牝馬を引退し、現在は北海道上富良野町のコバン牧場で功労馬として余生を過ごしています。

ヤマカツリリーの血統背景も注目に値します。半姉のリンデンジョオーの孫には、京成杯を制したコマノインパルスがいます。母は1991年のエリザベス女王杯とローズステークスを制したリンデンリリー、祖母は1981年の東京3歳優駿牝馬を制したラドンナリリーと、いずれも優れた競走成績を残した母系を受け継いでいます。さらに5代母クニハタの全妹には、1953年の天皇賞（秋）を制したクインナルビーがいます。

ヤマカツリリーは、華々しいデビューから繁殖牝馬としての活躍、そして功労馬としての穏やかな余生と、その競走馬人生は多くのファンに記憶されています。フィリーズレビューでの勝利は、彼女の競走馬としての輝かしい業績として、長く語り継がれるでしょう。

もう一度検索