ヤマニンセラフィム

ヤマニンセラフィム：競走馬から種牡馬へ

ヤマニンセラフィムは、1999年4月13日生まれの競走馬で、2002年の京成杯で鮮烈なデビューを飾りました。このレースでは、強豪ローマンエンパイアと優勝を分け合う接戦を演じ、大きな注目を集めました。母は阪神3歳牝馬ステークスを制した名牝ヤマニンパラダイス、半妹には阪神ジュベナイルフィリーズで2着に入ったヤマニンアルシオンという、優れた血統を受け継いでいます。

競走馬時代

2001年11月11日、京都競馬場での2歳新馬戦でデビューを果たしたヤマニンセラフィム。武豊騎手を背に1番人気に応え、見事初勝利を収めます。続くエリカ賞（500万下）でも勝利を収め、将来を期待させる走りを見せました。2002年の京成杯では2番人気に支持され、1番人気のローマンエンパイアと壮絶な競り合いを展開。両者同着での優勝という、1997年の平安ステークス以来となる珍しい結果をもたらしました。しかし、続く弥生賞では6着と結果を残せず、レントゲン検査の結果、両トウ骨遠位端骨折が判明。手術を経ての長期休養を余儀なくされました。

2003年の復帰戦となったカシオペアステークスでは9着、古都ステークスでは4着と、以前の輝きを取り戻すには至りませんでした。その後、オリオンステークスへの出走を予定していた矢先、屈腱炎を発症し、競走馬としてのキャリアに幕を閉じました。2004年1月7日、競走馬登録を抹消されました。

種牡馬時代

競走馬を引退したヤマニンセラフィムは、同年春からレックススタッドで種牡馬としての第二のキャリアをスタートさせました。初年度の2004年には22頭に種付けを行い、2005年には11頭の産駒が誕生しました。初年度産駒の数は少なかったものの、2007年にはサントサンデーが中央地方通じて初勝利、翌2008年にはナムラクレセントがJRAで初勝利を挙げ、その才能を証明しました。

特にナムラクレセントは、2008年の菊花賞で3着に入線するなど、大きな活躍を見せました。この活躍を受け、ヤマニンセラフィムへの種付け依頼は増加し、2009年には前年の16頭から55頭にまで増加しました。そして2011年、ナムラクレセントは阪神大賞典を制覇。ヤマニンセラフィムにとって初の産駒による重賞勝利となり、その種牡馬としての価値を決定的にしました。

2019年には、引退名馬繋養展示事業の助成対象馬となり、種牡馬を引退。生まれ故郷である錦岡牧場で余生を過ごしています。

代表産駒

ヤマニンセラフィムの産駒の中でも特に活躍した馬としては、ナムラクレセント（阪神大賞典）や、グルームアイランド（中日杯、報知オールスターカップなど地方重賞多数勝利）などが挙げられます。

ブルードメアサイアーとしての活躍

近年では、ブルードメアサイアー（母の父）としても活躍しています。2019年産のコスモポポラリタ（フローラルカップ、ブロッサムカップ、九州チャンピオンシップ）はその代表例です。

ヤマニンセラフィムは、競走馬としての輝かしい戦績と、種牡馬としての成功によって、競馬史にその名を刻んだ名馬と言えるでしょう。現在も、繋養されている錦岡牧場で、多くのファンから愛され続けています。

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