ヤマニンパラダイス

ヤマニンパラダイス：華麗なる競走生活と繁殖牝馬としての成功

ヤマニンパラダイス（1992年4月25日 - 2018年12月7日）は、アメリカ合衆国で生産された競走馬、繁殖牝馬である。父はダンジグ、母はアメリカでG1を2勝し、ケンタッキーダービーにも出走したアルセアという、まさに世界的な血統を受け継いでいた。

キーンランドセールで80万ドルという高額で落札され、日本へ輸入されたヤマニンパラダイスは、浅見国一厩舎に入厩。デビュー前からその血統と調教の成果に注目が集まった。1994年9月10日、中京競馬場の新馬戦で武豊騎手を鞍上に迎え、デビュー戦を圧巻のレコードタイム1分8秒2で制覇。このタイムは、1994年シーズンにおいて、ニホンピロプリンスとエイシンワシントンに次ぐ速さであった。

続くいちょうステークスでも牡馬相手にレコードタイム1分34秒7で勝利し、2戦2勝。そして迎えた阪神3歳牝馬ステークスでは、1.2倍という圧倒的本命に支持された。レースはエイシンバーリンのハイペースな逃げに展開が向かう中、ヤマニンパラダイスは最後の直線で粘るエイシンバーリンを捉え、スターライトマリーを振り切って1分34秒7のレースレコード（当時）で優勝。3戦3勝、全てレコードタイムでの勝利という、華々しい3歳シーズンを終え、JRA賞最優秀3歳牝馬に輝いた。

しかし、4歳以降は故障に悩まされることになる。ニュージーランドトロフィー4歳ステークスで6着に敗れた後、再び故障を発症し長期休養を余儀なくされた。1996年3月に復帰するも、3歳時の輝きは失われ、思うような結果を残すことができず、馬券に絡むことも少なくなっていった。12月のポートアイランドステークスで2年ぶりの勝利を収め、翌年も京都牝馬特別で2着、マイラーズカップや京王杯スプリングカップで3着に入るなど、復活の兆しを見せたものの、1997年6月、マーメイドステークスの追い切り中に骨折を発症。惜しまれながら競走馬としてのキャリアに幕を閉じた。

引退後は、北海道の錦岡牧場で繁殖牝馬として活躍。初仔のヤマニンセラフィムは京成杯を制し、3番仔のヤマニンアルシオンは阪神ジュベナイルフィリーズで2着に入るなど、優れた繁殖成績を残した。2016年に11番仔を出産後、繁殖生活から引退し、錦岡牧場で余生を送っていたが、2018年12月7日、26歳でこの世を去った。

ヤマニンパラダイスは、競走馬としてだけでなく、繁殖牝馬としても成功を収めた。その血統は、現在も多くの競走馬に受け継がれている。祖母Courtly Deeを祖とする牝系からは、ノーリーズン、ワンアンドオンリー、メイショウハリオ、テーオーロイヤルといった活躍馬も輩出している。短いながらも華麗な競走生活と、繁殖牝馬としての成功は、競馬史にその名を刻むにふさわしいものと言えるだろう。ヤマニンパラダイスの功績は、競馬ファンたちの記憶に長く留まり続けるだろう。

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