ヤマハ・XT1200Zスーパーテネレ

XT1200Z Super Ténéré：究極の長距離アドベンチャーバイク

2010年、ヤマハ発動機は、伝説的なラリーマシンXT500の系譜を受け継ぐ、新たなアドベンチャーバイクXT1200Z Super Ténéréを世界市場に投入しました。その名は、過酷なサハラ砂漠の地名「テネレ」に由来し、過酷な環境下での走行性能を象徴しています。

開発コンセプト：「Ultimate Gear for Intercontinental Adventure」

このモデルの開発コンセプトは「Ultimate Gear for Intercontinental Adventure（大陸間冒険のための究極の装備）」でした。パリ・ダカールラリーでの優勝経験から得られたノウハウを惜しみなく投入し、長距離走行における快適性、悪路走破性、そしてあらゆる路面状況に対応できる走行性能の調和を徹底的に追求しています。

エンジンとパワートレイン

心臓部は、直列2気筒1200ccエンジン。スムーズな出力特性と扱いやすさを両立するため、270度クランク、ツインプラグ、ワイドレシオトランスミッションなどの技術を採用。低中速域から力強いトルクを発揮し、長距離走行でもライダーへの負担を軽減します。潤滑方式にはドライサンプ方式を採用し、オイルタンクをミッション軸下側に配置することで、コンパクト化と低重心化を実現しました。排気系には、ハニカム触媒とフィードバック制御を組み合わせることで、環境性能も高めています。

シャーシとサスペンション

高い耐久性とメンテナンス性を考慮し、駆動方式にはシャフトドライブを採用。ヤマハ製二輪車として初めて、ピニオンギア軸とリングギア軸をオフセットするハイポイドギア方式を採用することで、耐久性を向上させています。フレームレイアウトもメンテナンス性を考慮し、エアクリーナーボックスからスロットルボディ、シリンダーヘッドまでが直線的に配置され、整備性の向上に貢献しています。

足回りには、調整可能なフルアジャスタブル倒立フォークとリンク式モノクロスサスペンションを装備。あらゆる路面状況に対応できる高いサスペンション性能を実現しています。また、YZR-M1で培われた技術を応用したトラクションコントロールシステムや、アンチロックブレーキシステム（ABS）、前後連動ブレーキシステムなどを装備し、安全性とコントロール性を向上させています。

走行性能

XT1200Z Super Ténéréは、オンロードとオフロードの両方を高いレベルでこなす、まさに「オールラウンド」な性能を備えています。長距離ツーリングから林道走行まで、ライダーのあらゆるニーズに応えることが可能です。

主要装備と特徴

直列2気筒1200ccエンジン
270度クランク
ツインプラグ
ワイドレシオトランスミッション
ドライサンプ方式
シャフトドライブ
ハイポイドギア方式
フルアジャスタブル倒立フォーク
リンク式モノクロスサスペンション
トラクションコントロールシステム
ABS
前後連動ブレーキシステム

各年式ごとの変更点

2010年モデルは、First Editionとして特別な装備が追加され発売されました。その後、2011年、2013年とモデルチェンジを重ね、カラーバリエーションや装備が変更されています。2013年には、バンパーなどを追加した特別仕様車「ワールドクロッサー」も登場しました。

まとめ

XT1200Z Super Ténéréは、長距離アドベンチャーツーリングを快適に楽しむための、数々の技術と装備を凝縮した、まさに「究極のアドベンチャーバイク」と言えるでしょう。その高い走行性能と快適性、そして信頼性は、世界中のライダーから高い評価を得ています。

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