ヤロスラフ・フセヴォロドヴィチ (チェルニゴフ公)

ヤロスラフ・フセヴォロドヴィチ（1139年 - 1198年）は、チェルニゴフ公フセヴォロドの子として生まれ、1180年から1198年までチェルニゴフ公を務めました。

生涯

ヤロスラフは、1167年と1188年にポロヴェツ族に対する遠征に参加し、1185年にはノヴゴロド・セヴェルスキー公国へ援軍を派遣するなど、軍事面で活躍しました。

彼の治世における主要な出来事としては、1195年から翌年にかけてのルーシ内戦が挙げられます。1194年に兄のスヴャトスラフ（当時のキエフ大公）が亡くなると、キエフ大公位とキエフ公国はリューリクが継承しました。これに対し、ヤロスラフらオレグ家は、ポロツク公国のポロツク・イジャスラフ家と同盟を結び、スヴャトスラフの子であるオレグを長とする軍団を組織し、リューリク側についたスモレンスク公国へ侵攻しました。

この内戦において、連合軍はオレグの子ダヴィドが戦死するという痛手を被りましたが、スモレンスク軍の総指揮官ムスチスラフを捕虜にするという戦果も挙げました。一方、キエフ大公リューリクとウラジーミル大公フセヴォロドは、オレグ家に対し、キエフの継承権放棄とドニエプル川左岸の割譲を要求しました。ヤロスラフらオレグ家はこれを拒否し、リューリクの侵攻に備えてチェルニゴフに駐屯部隊を配備し、スモレンスク公国とウラジーミル大公国軍の侵入が予想される場所に防線を構築するなど、自領と権力の防衛に努めました。

1198年にヤロスラフが亡くなると、ノヴゴロド・セヴェルスキー公イーゴリがチェルニゴフ公位を継承しました。

妻子

妻はイリーナと伝えられています。彼らには以下の子がいました。

ロスチスラフ - スノフスク公、ヴィシゴロド公
ヤロポルク - ノヴゴロド公
* 娘 - ペレヤスラヴリ公ウラジーミルと結婚

（各公位の置かれた都市については、スノフスク、ヴィーシュホロド、ノヴゴロド、ペレヤスラウ＝フメリニツキーを参照ください。）

ヤロスラフ・フセヴォロドヴィチは、激動の時代を生きたチェルニゴフ公として、その軍事的手腕と政治的決断によって歴史に名を残しました。

もう一度検索