ヤン・ステナルード

ヤン・ステナルード：伝説のプレースキッカー

ヤン・ステナルード（Jan Stenerud, 1942年11月26日 - ）は、ノルウェー出身のアメリカンフットボール選手で、ポジションはプレースキッカー。NFLのカンザスシティ・チーフスなどで1967年から1985年まで19年間活躍し、ノルウェー出身者として初めてNFLでプレー、プレースキッカーとして初めてプロフットボール殿堂入りを果たした。

生い立ちと才能の開花

ステナルードは、ノルウェーのアーケシュフース県フェッツンで生まれ、モンタナ州立大学にスキージャンプの奨学生として留学。しかし、偶然の出来事が彼の人生を大きく変えることとなる。1964年秋、フットボールスタジアムの階段でスキージャンプのトレーニング中に、負傷したフットボール選手とボールを蹴って遊んでいたところ、バスケットボールのヘッドコーチにその脚力を見出されたのだ。そのコーチの推薦でフットボールチームに合流することになった。

スキーシーズン終了後、1965年の春キャンプからチームに合流したステナルードは、すぐにその才能を開花させる。当時の大学記録となる59ヤードのフィールドゴールを成功させ、ライバル大学との試合で勝利に貢献。その年、フットボールとスキージャンプの両方でオールアメリカンに選出されるという快挙を成し遂げた。

プロフットボーラーとしての輝かしいキャリア

AFLのカンザスシティ・チーフスから3巡目指名を受けプロ入り。当時、プレースキッカーは他のポジションの選手が兼任するのが一般的だったが、ステナルードはプレースキッカー専門の選手として入団した初の選手となった。当時のキック成功率が5割程度だったのに対し、ステナルードは7割を超える成功率を誇り、他のキッカーを圧倒した。

1969年、チーフスは合併前最後のAFLチャンピオンとなり、第4回スーパーボウルに出場。この試合でチーフスはミネソタ・バイキングスを23-7で下し、スーパーボウル初制覇を達成したが、ステナルードは3本のフィールドゴールを決め、チームの勝利に大きく貢献した。中でも48ヤードのフィールドゴールは、第28回スーパーボウルで記録更新されるまで24年間最長記録を保持した。

チーフス退団後、グリーンベイ・パッカーズ、ミネソタ・バイキングスと2チームを渡り歩き、1985年シーズン限りで引退。1991年にはプロフットボール殿堂入りを果たし、その功績が称えられた。

サッカースタイルの先駆者

ステナルードは、チャーリー・ゴゴラック、ピート・ゴゴラック兄弟と共に、プロフットボールにおける最初のサッカースタイルのキッカーの一人であった。それまでのプレースキッカーは、ストレートスタイルでボールを蹴るトーキックが主流だったのに対し、ステナルードはサッカーボールを蹴るようにインステップキックを採用。このプレースタイルは、その後のキッカーに大きな影響を与えた。

ヤン・ステナルードは、その正確なキックと革新的なプレースタイルで、アメリカンフットボール界に名を残す偉大なプレースキッカーとして、今もなお語り継がれている。

参考情報

ヤン・ステナルード - [プロフットボール殿堂]]: [https://www.profootballhof.com/players/jan-stenerud/
選手の通算成績と情報: NFL.com • Pro-Football-Reference • Databasefootball.com

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