牡丹江市(ぼたんこうし)
牡丹江市は、
中国黒竜江
省の南東部に位置する
地級市です。市名は、市内を流れる牡丹江に由来しています。黒竜江
省において、ハルビン、チチハルに次ぐ第3位の
人口を擁する都市であり、重要な商工業都市、交通の要所として発展してきました。市域の大部分は山岳地帯で、原生林が広がっています。
林業や高麗人参、
キクラゲの採取、
石炭、
大理石などの
鉱業も重要な産業です。
主な
経済収入源は観光業と軽工業です。工業分野では、機械、石油化学などの
重工業に加え、紡績、電子製品、雑貨などの生産も行われています。しかし、沿岸部の新興工業地帯と比較すると、国営工場の割合が高く、老朽化が進んでいる面もあります。外資企業の進出もあまり多くありませんが、韓国系の大宇造紙グループは、
省内でも有数の規模を誇っています。郊外では、蓮花発電所による
水力発電や、穆棱市にある
中国有数の
風力発電基地が重要な電力供給源となっています。
都市計画と交通
市内は鉄道駅を中心に碁盤目状に都市計画が整備されています。近年は、
ロシアや
日本海を通じた国際交易を見据え、貿易センターや高層
オフィスビルの建設が進められています。特に、市域内の
綏芬河市は、
ロシア国境の交易都市として急速に発展しています。牡丹江市の対外貿易総額は、黒竜江
省全体の75%以上を占めており、特に
ロシアとの貿易においては、
中国最大の地位を確立しています。
教育
市内には、牡丹江
大学をはじめ、医科
大学、師範
大学など、複数の
大学が存在します。
地理
牡丹江市は、東は
ロシア沿海地方、南は
吉林[[省]]
延辺朝鮮族自治州と接しており、北は鶏西市、西は
ハルビン市と隣接しています。市内を流れる牡丹江は
アムール川へと注ぎ、国際河川港も有しています。また、東部には
日本海に注ぐ
綏芬河が流れています。市街地の南方には
鏡泊湖という美しい湖があります。交通面では、ハルビンと
ウラジオストクを結ぶ鉄道や、
図們市から
ジャムス市を結ぶ鉄道が交差しており、近年ではハルビンと
綏芬河を結ぶ高速道路も開通しました。
気候
気候は
亜寒帯冬季少雨気候に属し、冬は非常に寒く、最低気温が-30℃を下回ることもあります。年間平均気温は3.9℃です。
歴史
この地域は、古代には渤海の領域であり、寧安市には渤海の首都であった上京龍泉府の遺跡が残っています。また、
清代初期には寧古塔将軍が置かれ、
清朝の満洲支配の拠点となっていました。
牡丹江という地名は、
満洲語の「mudan ula(曲がりくねった川)」に由来します。牡丹江の都市としての歴史は比較的浅く、70年ほど前に、
ロシアが
東[[清鉄道]]を敷設した際に牡丹江駅が設置されたのが始まりです。その後、
中国人や朝鮮人が入植し、農業を始めました。
満洲事変後、
満洲国が成立すると、この地域は
鉱業資源、
林業資源開発の拠点となり、多くの鉄道が建設されました。特に重要な路線である図寧線が建設されると、寧北駅周辺に多くの人が移り住み、碁盤目状の都市計画が進められました。
1937年には牡丹江
省が分離し、寧北駅付近の市街が牡丹江市となりました。この地は、
関東軍の基地が置かれたこともあり、日本企業の進出が相次ぎ、急速な工業都市として発展しました。しかし、一方で山岳部では抗日運動が展開されました。
第二次世界大戦後、牡丹江はソ連軍、
中国共産党軍に占領され、新
中国成立後は、黒竜江
省の一部となり、工業都市として発展を遂げました。しかし近年、東北部の
経済格差が拡大し、多くの住民が沿岸部へと流出しています。これに対し、
中国政府は東北振興プロジェクトを推進し、
経済活性化を目指しています。
名所
鏡泊湖:火山噴火によって形成された美しい天然湖。
地下森林:休火山となった火口に形成された原始林。
上京龍泉府:渤海の首都の遺跡。唐の長安をモデルとした大規模な都市。
行政区画
牡丹江市は、4つの市轄区、5つの県級市、1つの県を管轄しています。
市轄区:東安区、西安区、愛民区、陽明区
県級市:寧安市、海林市、穆棱市、東寧市、綏芬河市
県:林口県
年表
(
省略)
教育機関
牡丹江師範学院
牡丹江医学院
牡丹江大学
黒竜江
林業職業技術学院
黒龍江商業職業学院
黒龍江幼児師範高等専科学校
交通
航空:牡丹江海浪空港
鉄道:哈牡旅客専用線、牡佳旅客専用線、浜綏線、図佳線、城鶏線、林密線、火竜溝線
道路:綏満高速道路、鶴大高速道路、G201国道、G301国道
出入国検査場:
綏芬河口岸、東寧口岸
健康・医療・衛生
(
省略)
姉妹都市
大津市(日本)
ユヴァスキュラ(
フィンランド)
関連項目
遥かなる絆
酸菜、ハルビンビール、東北菜
アムール川、松花江、松嫩平原、小興安嶺山脈、亜寒帯冬季少雨気候
闖関東
在瀋陽日本国総領事館
脚注
(省略)
外部リンク
中国語)'>牡丹江市公式サイト