ユーコン (ガンダムシリーズ)

ユーコン級潜水艦

ユーコンは、アニメ『機動戦士ガンダム』に登場する架空の潜水艦であり、ジオン公国軍にとって欠かせない海洋兵力の一部です。この艦の設計と運用には、さまざまな歴史的背景や設定が関わっています。

概要

ジオン公国軍が地球に侵攻を行う際、海面が地表の約70%を占めるため、彼らは多くの水上艦艇を確保する必要がありました。小型の水上戦闘艇シーランスを艦艇として投入しましたが、大型の艦艇の降下は難しい上、コロニー国家であるため建造技術も不足していました。その結果、彼らは鹵獲した地球連邦軍の艦艇を科学的に吸収し、これを戦力化する必要がありました。

途中、太平洋での連邦軍の艦艇は、ブリティッシュ作戦によって引き起こされた津波により大きな損害を受けました。北米のキャリフォルニアベース周辺では、残ったのは遺棄されていた攻撃型潜水艦VIII型のみでした。この艦を改装して元々のMS母艦として活用したものが、ユーコン級潜水艦なのです。

設計と武装

ユーコンの全長やその他の具体的なスペックは不明ですが、推進機関は水流ジェット式で、スクリューを持ちません。艦の武装としては、両舷の中央部に前方を向けた魚雷発射管が4門、前甲板上に対地/対艦ミサイルVLSが3基、そのほかに対空機銃が複数設置されています。

テレビ版では、セイルの直下にMS（モビルスーツ）格納庫があり、最大で3機のMSを装備できました。『機動戦士ガンダム0083』では連邦軍から奪取したGP02が確認されており、『機動戦士ガンダム0080』では艦底にある4つの発進ハッチから水陸両用MSを出撃させたという設定もあります。ただし、この発進口がMS格納庫と直接繋がっているかどうかは不明です。さらに、テレビ版とは異なり、艦尾にはスクリューが2軸設置されていることが確認されています。艦の色は青灰と草色で、ハッチ周辺はオレンジ色になっています。

設定の変遷

ユーコンに関する設定は、初放送時には詳細が未確定であり、ジオン公国の海洋勢力については後付けで説明がなされました。一般的な資料や書籍では、宇宙船を大気圏に突入させてその後潜水艦にした、あるいは鹵獲した連邦軍の潜水艦を軍事転用したなど、様々な説が提唱されています。

特にゲーム『機動戦士ガンダム ギレンの野望』では、鹵獲説が採用され、ジオン軍の潜水艦の出自として最も有力な設定とみなされています。この他にも、潜水艦が選択された理由として「船酔いしない」「宇宙船に似ているため操作しやすい」「水上艦艇の壊滅」などの後付け理由も出現しました。

劇中でのユーコンの活躍

『機動戦士ガンダム』

最初の登場は第26話で、マッドアングラー隊の一員として登場しました。ホワイトベースへ入港中の連邦軍基地を攻撃し、艦載機を使い連邦基地やホワイトベースにミサイル攻撃を行いました。しかし、セイラ・マスが操縦するGファイターによって撃沈されてしまいます。

『機動戦士ガンダム0080』

この作品では、ユーコン級U-99がサイクロプス隊を北極基地まで送り届ける場面が描かれています。艦底から発進したズゴックEやハイゴッグらが連邦軍と交戦しました。

『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』

ガトー少佐による試作ガンダム2号機奪取の際、ユーコン艦がミサイル攻撃を行い、輸送支援を行いました。ガンダム試作2号機を運ぶために、ユーコンがオーストラリアからアフリカへ移動する役割を果たしました。

ユーコン級潜水艦は、アニメの中での描写を通じて、ジオン軍の海洋戦力の重要性やその背景を示しています。彼らの活躍は、物語の壮大な戦闘の中で、独自の位置を築いていきました。

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