ヨハネス・ストレイダム

ヨハネス・ゲルハルダス・ストレイダム：アパルトヘイトを推進した南アフリカの首相

ヨハネス・ゲルハルダス・“ハンス”・ストレイダム（Johannes Gerhardus "Hans" Strijdom、1893年7月15日 - 1958年8月24日）は、南アフリカ連邦の首相として、アパルトヘイト政策を強化したことで知られる政治家です。1954年11月30日から1958年8月24日に亡くなるまで首相を務めました。

生涯

青年期

1893年、ストレイダムはケープ植民地（現在の東ケープ州）で農場主の息子として生まれました。法律家を目指し、ヴィクトリア・カレッジ（現ステレンボッシュ大学）に進学後、プレトリア大学で学びました。学業を終えると、北トランスヴァールのニルストルームに入植し、地域のアフリカーナーのリーダーとして頭角を現しました。

政界へ

1929年、ストレイダムはウォーターバーグ選挙区から国民党の候補として出馬し、国会議員に当選しました。1932年、大恐慌対策として国民党と南アフリカ党が合併し連合党が成立すると、この合併に不満を持ったダニエル・マランが純正国民党を結成し、ストレイダムもこれに参加しました。ストレイダムは、ヤン・スマッツのイギリスとの友好路線に反対し、南アフリカの共和制移行を主張していました。しかし、彼の生前に共和制が実現することはなく、1961年に南アフリカは共和制に移行しました。

大臣から首相へ

1948年、国民党が政権を握ると、ストレイダムはマラン首相の下で灌漑・農業大臣に任命されました。1954年11月、マラン首相が健康上の理由で辞任を表明すると、ストレイダムは次期首相の座を争うことになります。マランは、大蔵大臣のハベンガを後継者として望んでいましたが、共和制論者として党内と国民からの人気を集めていたストレイダムが首相に選出されました。1954年11月30日のことでした。

首相時代

首相となったストレイダムは、イギリス連邦からの離脱とアパルトヘイトの強化に尽力しました。マラン政権下からの懸案であったカラード（混血）の選挙権を剥奪する法案を1956年に可決させました。カラードには、代わりにカラードの利益を代表する白人議員を選出する権利が与えられましたが、ストレイダムの死後、1970年にはそれも廃止されました。また、1957年には新国旗を制定し、1961年からの新通貨ランドの導入を決定しました。

一方で、ストレイダムはイギリス系住民とアフリカーナーの協調を目指し、南アフリカの独立性を強化する政策を推進しました。その結果、両人種間の対立は緩和され始めました。

1958年8月24日、ストレイダムは癌により死去しました。

人物

ストレイダムは、「北のライオン」というニックネームで呼ばれていました。彼は非常に正直で清廉な人物として知られていましたが、同時に閉鎖的で頑固な一面も持ち合わせていました。女優のマルグレーテ・ファン・フルステインと結婚しましたが、すぐに離婚。その後、スーザン・デクラークと再婚し、彼女との間に2人の子供をもうけました。ちなみに、後の大統領フレデリック・ウィレム・デクラークはスーザンの甥にあたります。

南アフリカには、彼の記念碑がいくつか残っています。モディモレ（旧ニルストルーム）にある彼の家は博物館として公開されており、ヒルブロウ・タワーはアパルトヘイト終結まで「JGストレイダムタワー」という名前でした。

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