ヨハネス5世 (ローマ教皇)

ヨハネス5世（在位：685年 - 686年）は、7世紀のローマ教皇であり、その在位期間はわずか1年10日と非常に短いものでした。教会慣用名はヨハネです。

彼は635年にビザンツ帝国（東ローマ帝国）の領土であったシリアのアンティオキア地方で生まれました。彼の生涯において、助祭長としての経験があったことが記録されています。680年に開催された総教会会議では、当時の教皇アガトが派遣した使節団の一員として参加しました。この会議への参加は、彼が教会の重要な人物であったことを示唆しています。

685年7月23日、ヨハネス5世はローマ教皇に選出されました。この時期は、ビザンツ帝国ではユスティニアノス2世が新たに皇帝に即位したばかりであり、政治的な変動期でした。しかし、ヨハネス5世自身は、教皇としての統治のほとんどを病床で過ごさざるを得ませんでした。彼の体調は優れず、公務を十分に遂行することが困難な状況が続きました。

在位期間の短さにも関わらず、ヨハネス5世は教会の歴史において重要な人物の一人として記録されています。彼の教皇としての業績は、その短い在位期間と病床での生活のために多くは残されていませんが、その存在は教会の歴史において重要な意味を持っています。

ヨハネス5世は、686年8月2日にその生涯を終えました。彼の死後、ローマ教皇庁は新たな指導者を迎えることとなります。彼の短い在位期間は、病魔に苦しみながらも教会の指導者としての責任を果たそうとした彼の姿を物語っています。

参考文献
小林珍雄『法王庁』岩波書店〈岩波新書〉、1966年8月。
P.G.マックスウェル・スチュアート 著、月森左知・菅沼裕乃（訳） 訳、高橋正男（監修） 編『ローマ教皇歴代誌』創元社、1999年12月。ISBN 4-422-21513-2。

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