ヨベル・オルテガ

ヨベル・オルテガ（Yober Ortega）は、1965年8月21日にベネズエラで生まれた元プロボクサーです。WBA世界スーパーバンタム級のタイトルを保持した経験を持ちます。

1990年9月15日、オルテガはプロのリングにデビューしました。キャリア初期から順調に戦績を重ね、1995年4月1日にはベネズエラのスーパーバンタム級タイトルを獲得。同年11月25日には、地域タイトルであるWBAフェデラテン・スーパーバンタム級王座も手に入れました。

国内外での実績を背景に、オルテガは1996年3月23日、母国の同胞であるアントニオ・セルメニョが保持するWBA世界スーパーバンタム級王座に挑戦する機会を得ました。しかし、この世界初挑戦は判定の結果、敗れ、タイトル獲得はなりませんでした。

一度目の世界挑戦失敗後も、オルテガはキャリアを継続。1997年5月5日には、再びベネズエラ国内の王座を獲得。さらに1998年10月3日には、北米地域の主要タイトルであるNABA北米スーパーバンタム級王座も獲得し、実力者としての地位を確固たるものにしました。

1999年10月9日、オルテガは再び世界王座戦線に浮上します。WBA世界スーパーバンタム級暫定王座決定戦に出場し、因縁の相手であるアントニオ・セルメニョとの再戦に臨みました。しかし、この二度目の対戦もフルラウンドの判定までもつれ込んだ末、再びセルメニョに軍配が上がり、暫定王座獲得は叶いませんでした。

三度目の世界挑戦は、海を渡って日本で行われました。2000年11月23日、名古屋市総合体育館にて、空位となっていたWBA世界スーパーバンタム級暫定王座をかけて、日本の石井広三と対戦。この一戦でオルテガは力を発揮し、11ラウンドTKOによる劇的な勝利を収め、ついにWBAの世界タイトル（暫定王座）を獲得しました。

暫定王者となったオルテガは、2001年11月17日にホセ・ロハスを相手に初防衛戦を行いました。この試合も4ラウンドKOという圧倒的な内容で勝利し、暫定王座の初防衛に成功しました。さらに、当時の正規王者であったクラレンス・アダムズが王座を返上したことに伴い、オルテガは正規王者に昇格しました。

しかし、正規王者としての道のりは長くは続きませんでした。2002年2月21日に行われた2度目の防衛戦で、ヨーダムロン・シンワンチャーと対戦。この試合に判定で敗れたオルテガは、わずか一度の防衛に終わるとともに、正規王座から陥落しました。

王座陥落後もキャリアを続け、2004年5月23日には二度目の来日を果たし、山梨県で渡辺純一と対戦。この試合では2ラウンドTKOで勝利を収めています。

その後、再び世界王座返り咲きを目指し、2005年10月15日にはセレスティーノ・カバジェロとの間でWBA世界スーパーバンタム級暫定王座決定戦に臨みましたが、判定で敗れました。2006年3月26日には、マイナー団体であるIBOの世界スーパーバンタム級王座にも挑戦しましたが、ここでも判定負けを喫し、再び世界のベルトを巻くことはありませんでした。

ヨベル・オルテガは、ベネズエラ国内、地域、そしてWBA世界と様々なタイトルを獲得・挑戦した実績を持つボクサーです。

獲得タイトル

ベネズエラ・スーパーバンタム級王座
NABA北米スーパーバンタム級王座
WBAフェデラテン・スーパーバンタム級王座
WBA世界スーパーバンタム級暫定王座
* WBA世界スーパーバンタム級王座（防衛1）

もう一度検索