ヨーロッパ発展のためのブルガリア市民

ヨーロッパ発展のためのブルガリア市民（GERB）：ブルガリア中道右派政党の軌跡

ヨーロッパ発展のためのブルガリア市民（Grazhdani za evropeysko razvitie na Balgariya; GERB）は、ブルガリアにおける主要な中道右派政党です。2006年12月、元ソフィア市長のボイコ・ボリソフ氏によって設立されました。GERBは、当初は非営利団体として活動を始め、その後政党へと発展しました。

党の設立と初期の活動

GERBは、設立当初から高い人気を博しました。2007年の世論調査では、ブルガリア社会党に次ぐ第2党としての地位を確立し、14%程度の支持率を獲得しました。党の主要政策は、犯罪や汚職との闘い、家族の価値観の重視、そしてエネルギー自給自足の実現でした。

その活動はすぐに成果を上げ、2007年の欧州議会選挙でブルガリア国内で初めて勝利を収めました。投票総数の21.69%にあたる419,301票を獲得し、5人の欧州議会議員を欧州議会に送り込みました。欧州議会では、欧州人民党・民主主義グループ（EPP-EB）に加盟し、欧州レベルでの政治活動も積極的に展開しました。

2009年国民議会選挙と政権獲得

2009年7月に行われた国民議会選挙では、GERBは圧勝しました。野党であったGERBは、与党であった「ブルガリアのための連合」を大きくリードし、240議席中116議席を獲得、第一党となりました。しかし、単独過半数を獲得するには至らず、極右民族政党のアタカ国民連合との閣外協力協定を締結しました。その結果、ボイコ・ボリソフ氏が首相に就任し、GERB政権が発足しました。

政権運営と選挙結果

その後、GERBは数度の総選挙を経験し、政権の座を獲得したり、野党に転落したりと、その勢力を変遷させました。ボイコ・ボリソフ氏は、2021年までに3期にわたり首相を務めました。その間、ブルガリア経済の安定化や欧州連合との関係強化などを目指した政策を推進しました。

近年の動向

2021年4月以降、GERBは民主勢力同盟(SDS)と連合を組んで活動しています。これは、ブルガリアの政局における複雑な力関係を示しており、GERBが単独で政権を運営することが困難になっている状況を反映していると考えられます。

まとめ

GERBは、ブルガリアにおける中道右派政党として、設立以来、国民議会選挙や欧州議会選挙で重要な役割を果たしてきました。ボイコ・ボリソフ氏のリーダーシップの下、政権運営や欧州連合との連携を重視した活動を行ってきました。近年は民主勢力同盟との連携を深めており、今後のブルガリア政局におけるGERBの動向が注目されます。 その活動は、ブルガリアの政治、経済、そして欧州連合との関係に大きな影響を与え続けています。

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