ライコス

LYCOS（ライコス）とは

LYCOSは、アメリカ合衆国を中心に世界各国で展開されたポータルサイトです。その名前は、コモリグモを意味する「lycosia」に由来し、クモの巣のようにウェブを繋ぐイメージから名付けられました。マスコットキャラクターには、黒のラブラドール・レトリーバーの「ライコス犬」が親しまれていました。

LYCOSの歴史

LYCOSは、カーネギーメロン大学のマイケル・ローレン・モールディン氏が開発した検索エンジンを商業化するために、1994年に設立されました。1999年には世界40カ国以上で展開し、最盛期を迎えました。しかし、2000年にはスペインのテレフォニカ傘下のテラ・ネットワークスに売却され、「Terra Lycos」となりました。その後、2004年には韓国のDaum Communications Corp.の傘下で「Lycos, Inc.」として分離し、2010年にはインドのYbrant Digitalに売却されました。このように、LYCOSは所有者が何度も変わり、その過程でサービス内容も変遷を遂げました。

日本でのLYCOS

日本では、同じ商号を持つ日本法人が二度設立され、LYCOSブランドでサービスを展開しました。

初代ライコスジャパン株式会社

1998年4月14日、住友商事、アメリカのLycos Inc.、IIJの出資により「ライコスジャパン株式会社」が設立されました。1999年10月よりポータルサイトを運営し、大手ポータルサイトの一角を占めるまでになりました。しかし、創業以来赤字が続き、2002年12月19日に楽天の子会社となり、2003年9月1日に同じく楽天の子会社であったインフォシークと共に楽天に吸収合併され消滅しました。なお、同社が提供していたLYCOSのサービスは、楽天のインフォシークに統合されました。

1999年から2000年にかけては、浜崎あゆみをイメージキャラクターに起用し、テレビCMを放映していました。また、テレビアニメ「BOYS BE…」や「ラブひな」では、キャラクターがLYCOSのサービスをPRするCMも放送されました。これらの取り組みは、当時の若年層を中心に認知度を高めることに貢献しました。

2代目ライコスジャパン株式会社

2004年8月2日、東京通信ネットワーク株式会社（後の株式会社パワードコム）が運営していたCafestaの運営を引き継ぐため、株式会社パワードコムと韓国のダウム社の出資により「株式会社TAON」として設立されました。その後、2007年3月20日に「ライコスジャパン株式会社」に商号変更しました。2007年3月22日には、マルチメディアブログサービス「ライコスクリップ」と動画共有サービス「ライコスミックス」をメインとしてLYCOSブランドでのサービスを開始しました。しかし、2008年4月1日にCafesta事業を別の会社に譲渡し、2008年11月29日にサービスを終了して撤退しました。その後、lycos.co.jpのドメインはダウムジャパンが引き継ぎましたが、2013年12月にドメイン名が廃止されました。

株式会社LYCOM（ライコム）

株式会社ダウムジャパンは、2009年9月20日に「株式会社LYCOM（ライコム）」に商号を変更し、業態を輸入雑貨のインターネット販売に変更しました。2012年10月からは、フラッシュマーケティング・ショッピングモール型のタイムセールショッピングサイト「googoo」を運営しましたが、2013年にサービスを終了しました。

LYCOSのその後

初代と2代目のライコスジャパンが運営していたLYCOSのサービスは、楽天のInfoseekに統合されたり、サービス自体が終了したりと変遷を遂げました。2009年12月からは、アメリカのLycos Inc.によって検索サービスのみが再開されましたが、かつてのポータルサイトとしての勢いは失われています。

まとめ

LYCOSは、かつて世界を席巻したポータルサイトであり、日本でも複数回サービスが展開されました。しかし、経営体制の変更や市場の変化により、そのサービスは縮小を余儀なくされ、現在は検索サービスのみが提供されています。LYCOSの歴史は、インターネット黎明期のポータルサイトの盛衰を象徴する出来事として、記憶されています。

脚注

楽天
インフォシーク
HotBot
Tripod
Cafesta

外部リンク

Lycos, Inc.
* Lycos, Inc. - 日本向けトップページ

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