ラインミーティア

ラインミーティア：悲願の重賞制覇と短い生涯

2010年2月26日生まれの競走馬、ラインミーティア（欧字名：Rhein Meteor）。その名は冠名に「流星」を組み合わせたもの。オグリキャップの血を受け継ぎ、数々のレースを駆け抜けた短い生涯は、多くの競馬ファンの記憶に刻まれています。

2012年、トレーニングセールで落札されたラインミーティアは、同年7月29日に札幌競馬場でデビュー。3着という結果から始まった競走生活は、決して順風満帆ではありませんでした。ダート競走にも挑戦するなど、様々な試行錯誤を経て、2歳未勝利戦で初勝利を挙げます。しかし、その後は重賞レースでの苦戦や、条件クラスでの低迷を繰り返しました。3歳時の重賞初挑戦となったファルコンステークスでは11着と大敗を喫し、以降も二桁着順が続いたのです。

4歳シーズンに500万下条件に降級。7月の種市特別で1年半ぶりの勝利を収めますが、再び勝利からは遠ざかります。転機が訪れたのは7歳を迎えた2017年。4月の1000万下条件・邁進特別で約2年9か月ぶりの勝利を手にします。そして、7月、アイビスサマーダッシュに8番人気という伏兵として挑んだのです。中団から外ラチ沿いを進み、フィドゥーシアをゴール寸前で差し切り、キャリア36戦目にして悲願の重賞初優勝を果たしました。

この勝利は、ラインミーティアの長く険しい道のりを象徴するものでした。重賞連勝を目指し、続くセントウルステークスではファインニードルに敗れ2着。GI初挑戦となったスプリンターズステークスでは13着と結果を残せませんでしたが、その輝きは多くの競馬ファンの心に深く刻まれました。

8歳シーズンを迎えたラインミーティアでしたが、開幕から不振が続き、6月には蹄葉炎を発症。美浦トレーニングセンターで懸命の治療が行われましたが、8月2日、容態が急変し、安楽死の措置が取られました。

ラインミーティアの生涯は、わずか8年という短いものでした。しかし、その競走生活は、決して華々しいものばかりではありませんでした。幾多の苦難を乗り越え、ついに掴んだ重賞制覇。その姿は、多くの競走馬、そして競馬関係者にとって、大きな感動と勇気を与えてくれました。オグリキャップの子孫として初めてJRA重賞を制したという事実も、その輝かしい功績の一つと言えるでしょう。ラインミーティアの記憶は、多くの競馬ファンの中で、永遠に生き続けることでしょう。

その血統には、3代母ユウコの半弟に朝日杯3歳ステークス、皐月賞など重賞4勝のビンゴガルー、さらに近親にアラホウトク（桜花賞、サンケイスポーツ賞4歳牝馬特別）、ビンゴチムール（目黒記念）など、多くの活躍馬が名を連ねています。

ラインミーティアの競走成績はJBISサーチ、netkeiba.comなどで確認できます。

もう一度検索