ラインメタル 120 mm L44

ラインメタル 120 mm L44の概要

ラインメタル 120 mm L44（Rheinmetall 120 mm L/44）は、ドイツのラインメタル社が開発した後装式の滑腔戦車砲です。この砲は、1979年に西ドイツのレオパルト2戦車に初めて装備され、その後多くの西側諸国の主力戦車に採用されました。

背景

1980年代において、NATOの主な第2世代主力戦車はロイヤル・オードナンス L7 105mmライフル砲を使用していましたが、より強力な砲の需要が高まりました。これを受けて、1965年から新型戦車に搭載可能な戦車砲の開発が進められました。特に、アメリカと西ドイツが共同で進めたMBT70計画では、アメリカが152mmガンランチャーを主張したのに対し、西ドイツは120mm滑腔砲の採用を求めました。

砲の設計と能力

ラインメタル 120 mm L44は、成形炸薬弾（HEAT）や装弾筒付翼安定徹甲弾（APFSDS）など多様な砲弾を発射可能です。特に、アメリカ軍によるM830A1榴弾は、近接信管を内蔵しており、低速で飛行するヘリコプターを攻撃する能力も持っています。発射時に薬莢が焼失する燃焼薬莢方式を採用しており、砲弾の取り扱いを容易にしていますが、空包の作成が難しいという課題もあります。

発展型と他国の採用

レオパルト2A6以降、砲身の長さを55口径に延長したラインメタル 120 mm L55も開発され、射程が延びています。さらに、日本の10式戦車の主砲は、このL44を基に新規に開発されました。他国では、イスラエルのメルカバ Mk 3やイタリアのアリエテにも採用され、それぞれ国産の独自製品でありながら、砲弾の互換性は保持されています。

技術的仕様

• - 種別: 後装式滑腔砲
• - 口径: 120mm
• - 砲身長: 44口径長（L/44）および55口径長（L/55）
• - 重量: システム全体で3,780kg、砲身は1,190kg
• - 全長: 5.89メートル

採用国

この砲は、以下の国や車両に採用されています。

• - アメリカ: M1A1/A2/A2SEP
• - 日本: 90式戦車
• - 韓国: K1A1
• - ドイツ: レオパルト2
• - イタリア: C-1アリエテ

結論

ラインメタル 120 mm L44は、高い火力と多用途性を兼ね備えた戦車砲であり、様々な国の主力戦車に採用されています。これにより、現代戦において重要な役割を果たしています。この戦車砲は、戦車の性能を向上させ、多様な戦局に対応するための先進的な選択肢の一つと言えるでしょう。

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