ラジェス航空基地

ラジェス航空基地について

ラジェス航空基地（ポルトガル語：Base Aérea das Lajes）は、ポルトガルのアゾレス諸島テルセイラ島に位置する航空基地です。この基地は1941年に運用を開始し、ポルトガル空軍が管理しています。特に、ラジェス航空基地はその戦略的な位置により、歴史的にも軍事的にも重要な役割を果たしてきました。基地は北東部にあるプライア・ダ・ヴィトーリアの軍港と軍用道路で繋がっており、備蓄された燃料や電気通信設備も整っています。また、緊急時にはスペースシャトルの非常着陸場としても利用されることがあります。

歴史

ラジェス航空基地の起源は1928年まで遡ります。この年、ポルトガル陸軍のエドゥアルド・ゴメス・ダ・シウヴァ中佐が、テルセイラ島に陸軍航空隊用の飛行場を建設する可能性を報告しました。しかし、最初に選ばれたのはサンミゲル島のアシャダであり、そこで建設が進められました。しかし、1934年にはアシャダ飛行場の不便な状況が問題となり、テルセイラ島のラジェスに仮設滑走路を設けることになりました。

第二次世界大戦中の1941年、滑走路は拡張され、第5航空基地となり多くの資材が運び込まれました。当時、ポルトガルは中立の立場にありながらも、ドイツ軍と連合国軍の圧迫を受けていました。この状況を受けて、ポルトガル政府はアゾレス諸島を守るために航空部隊を拠点として軍を配置しました。1943年にはイギリスが基地を利用できるよう連携を確立し、戦後もアメリカ合衆国空軍によって重要な補給地点として使用されました。

戦後、ラジェス航空基地はポルトガル空軍による捜索救難活動や気象観測、空輸業務が中心となりました。また、アメリカ合衆国空軍にとっても、ヨーロッパや地中海、中東への重要な補給線として機能しました。1974年の第四次中東戦争ではイスラエル向け緊急援助物資が運ばれ、1990年の湾岸危機では大規模な空輸が行われました。

1937年には特筆すべき事故が発生しました。ハリケーン・エミーから避難を試みるベネズエラ空軍のC-130が強風に煽られ丘に衝突し、68名が犠牲になりました。この大惨事は基地の運用に影響を与えることとなりました。また、1980年にはマグニチュード7.0の地震が襲い、テルセイラ島に甚大な被害が及びましたが、基地施設に関しては比較的軽微な被害で済みました。

今日、ラジェス航空基地は依然として多様な軍事的機能を有しており、アメリカ合衆国やポルトガルの空軍が拮抗して運用しています。アメリカ空軍の第65基地航空団や陸軍交通集団が配置されており、ポルトガル空軍の部隊も活動を行っています。

配属部隊や機関

基地には、アメリカ合衆国空軍の第65基地航空団や陸軍交通集団第1324軍事輸送拠点隊、空軍機動集団第729航空機支援飛行隊、さらには空軍広報局および特別捜査局など、各種部隊が展開しています。ポルトガル空軍においても、アゾレス諸島空軍管区司令部や捜索救難のための第752飛行隊「プマス」などが活動しています。

また、ラジェス空港は民間航空機も扱っており、アゾレス諸島内やリスボン、ボストンなどとの間にフライトが運航されています。航空会社にはSATAアゾレス航空やアゾレス航空、TAPポルトガル航空、ライアンエアー、TUIフライ・ネーデルラントなどがあり、季節ごとに多様な運航が行われています。

このように、ラジェス航空基地は軍事および民間の両方の航空業務を支え続け、アゾレス諸島の重要な拠点として機能しています。

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