ラテックスアレルギー

ラテックスアレルギー

ラテックスアレルギーとは、天然ゴムの成分に対して即時型のアレルギー反応を示す状態を指します。これは特に医療用手袋に含まれる成分が原因とされ、多くの場合、果物からの成分と関連して反応が起こることがあります。具体的には、メロンや桃、栗、バナナなどの果物がこのアレルギーと関連しており、このことからラテックス・フルーツ症候群と呼ばれることもあります。このアレルギー反応は、全身性の蕁麻疹やアナフィラキシーショックなどの重篤な症状を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。

原因

ラテックスアレルギーの主な原因は、天然ゴムの原料であるパラゴムノキから取れるラテックスにあります。ラテックスは、成長したゴムの木の幹に傷をつけて得られる白い樹液であり、多くのたんぱく質が含まれています。これらのたんぱく質は、ゴム手袋などの製品にも残留しており、アレルギーの引き金となると考えられています。特に、Hevea brasiliensisというゴムの木から得られるたんぱく質が主要なアレルゲンとして同定されています。さらに、日本においては、ゴム製造において使われるチウラムという加硫促進剤がアレルゲンとして作用することもあり、約5～7%の日本人がこれに対して陽性反応を示すことが知られています。

また、ラテックスアレルギーと関連するフルーツアレルギーには交叉反応がみられ、特にバナナ、栗、キウイとの関連が指摘されています。

疫学

ラテックスアレルギーの患者は、特に医療従事者に多く見られます。これには医師や看護師が含まれ、彼らは業務中にラテックス製の手袋を常に使っているため、感作されるリスクが高まります。また、外科的な手術を受けた一般患者でも、稀にラテックスアレルギーを発症するケースが報告されています。

一方で、二分脊椎症のような特定の病気を抱える患者では、産後の手術においてラテックス手袋を使用されることが多く、これが感作の原因となることも考えられます。また、排尿障害を持つ患者がラテックス製の持続導尿カテーテルを留置することで、アレルギーを発症するリスクもあります。

対策

ラテックスアレルギーを持つ場合、食品については該当する食品の摂取を避け、ゴム製品に関してはポリウレタンやイソプレンラバー製品に切り替えることが有効な対策となります。アナフィラキシーショックの危険を考慮し、必要に応じてエピネフリン自己注射器を所持することも推奨されます。

まとめ

ラテックスアレルギーは、特に医療従事者に多く見られる即時型アレルギー反応です。このアレルギーは果物アレルギーと関連していることがあるため、注意深い管理と予防策が重要です。

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