ラトゥナプラ

ラトゥナプラは、スリランカのサバラガムワ州に位置する都市であり、同州の州都、そしてラトゥナプラ県の県都でもあります。シンハラ語で「宝石の都市」を意味し、その名の通り、古くからルビーやサファイアなどの宝石採掘が盛んな地域として知られています。

地理と産業

ラトゥナプラは、スリランカ中央高地の南西に位置し、最大の都市コロンボからは南東へ約101kmの距離にあります。宝石の採掘に加え、米や果物の生産も重要な産業です。都市の周囲には茶やゴムのプランテーションが広がり、特にこの地域で栽培される紅茶は「ロー・グロウン・ティー」として知られています。また、観光も重要な産業であり、近隣にはシンハラジャ森林保護区、ウダ・ワラウェ国立公園、キトゥルガラ、アダムスピークなどの観光名所があります。

歴史と人口

1901年当時、ラトゥナプラは人口4,084人の小さな町でしたが、2012年には人口52,170人に増加し、仏教徒、ヒンドゥー教徒、キリスト教徒、ムスリムが混在する多文化都市となっています。

交通

ラトゥナプラは、主要な幹線道路であるA4ハイウェイ沿いに位置し、コロンボと東部州のカルムナイを結ぶ重要な交通の要所です。また、A8ハイウェイはラトゥナプラと西海岸のパナドゥラを結んでいます。かつてはコロンボからの狭軌鉄道が敷設されていましたが、1976年に廃線となっています。

気候

ラトゥナプラは、ケッペンの気候区分で熱帯[[雨林気候]]に分類されます。スリランカ南西部の湿潤地帯に位置しており、特に5月から9月の南西モンスーン期には降水量が多くなります。しかし、モンスーン期以外でも対流性降雨により年間を通じて降水量は多く、年間平均降水量は4,000mmから5,000mmに達します。平均気温は最低24℃、最高35℃と高温であり、湿度も高いのが特徴です。

洪水

ラトゥナプラはカル河の氾濫原に位置するため、毎年のように洪水に見舞われています。特に5月には洪水が発生しやすく、カル河には大規模なダムがないため、自然の脅威にさらされる状況が続いています。洪水の危険性を低減するための対策が検討されていますが、2012年現在、実現には至っていません。2003年5月には、1947年のスリランカ独立以来、最大規模の洪水が発生しました。

施設

ラトゥナプラには、ラトゥナプラ国立博物館があり、地域の歴史や文化に関する展示を行っています。

関連事項

ラトゥナプラ県についても参照ください。

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